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カテゴリ:Essay
「財源はあるんです」と空手形を切って政権を奪取した民主党。実際に政権運営に当たってみたら、「ある」と言い張っていた財源はやはりなかった。ないにもかかわらず、子ども手当てなんていうバラマキを、借金してまでまだ続けている。 このまま行ったら財政破綻、だから消費税アップ。思ったとおりだ。ないものを「ある」と言い張り、次の世代が払うことになる借金を積み重ねてバラマキを続けたら、それ以外道がなくなるのは、とっくに見えていたはずだ。 5%という税率は、食料のような日常必需品にかかる税金としたらもともとすでに高いのだ。一方で贅沢品にかかる5%という税率がヨーロッパの先進国に比べて安いのは、確かなこと。 日本の所得税も、高福祉を掲げるヨーロッパの先進国に比べたら安い。それは認めよう。所得税も贅沢品にかかる消費税も安いのに、ヨーロッパの福祉先進国なみのサービスを提供しようとしたって、無理な話だ。それもわかる。 しかし・・・ 消費税ばかり言われるが、自分個人にかかっているいろいろな税金を考えると、それだけでかなりアタマに来る。 家を買えば・・・ 固定資産税、都市計画税 車を買えば・・・ 自動車税、重量税(かかってくるのは2年に1度だが、毎年払ってるのとどう違うというのか?) 会社を作れば・・・ 法人税(会社が赤字でも取ります)、消費税(これはクライアントが負担してるものと言えばそうだが、そのために発生する事務経費はこっちもちだ。消費税のプラスマイナス計算は、ハッキリ言って税務の素人には無理) それとは別に個人に・・・ 所得税、都民税 さらに何かというとかかってくる印紙代。あれだって租税公課だ。 個人=会社のような小さな組織の場合は、法人税と所得税を別々に納めるのは、ある意味で、「2重取り」されているような気分になるのだ。これは、経験者なら頷くだろうと思う。ある程度稼げていれば、法人税と所得税を払うことに違和感はないかもしれないが、商売が傾いてくると、非常につらい。さらに個人の能力に依っている事業というのは、たいてい「いいとき」が長続きしない。 元競輪選手の中野 浩一氏が、「あのころ(競輪選手として無敵の強さを誇り、稼ぎまくっていたころ)に納めた税金を返してほしい」と言っているのをテレビで聞いたが、本当に気持ちはよくわかる。スポーツ選手はその典型だが、スポーツに留まらず、個人の才能で稼ぐ仕事は、うまくいったらいったで、いつ「売れっ子時代」の幕が下りるのか、常に不安につきまとわれる。人間の能力というのは、一生を通じて均等に発揮されるわけではないのだ。 また、Mizumizuの会社は資金調達のために社債を発行した。暴利をむさぼる銀行に借りるのがイヤ(まあ、向こうだって貸したがらないだろうが、こっちだってはなっから願い下げだ)なので、そうしたのだ。社債を発行して資金を出してもらったのは親族だが、そのために利子をつけるのは、相手が親族だし、銀行の利子より低めに設定したのでいいとしても、利子課税が20%って、何ですか? 20%ですよ、国民の皆さん。今、銀行の預貯金の利息なんて二束三文だと思うが、そこから20%も取られている。天引きだから意識していないだけで、せめてその利子が10%だったら、まだ利息として受け取れる現金が増えるじゃありませんか。 さらに言えば、サラリーマンは所得税を勝手に天引きされている。なのに、年末調整でお金が戻ってくると嬉しがったりする。おかしーでしょ。もともと自分が払うべき税金だ。なんで勝手に天引きされてることに疑問をもたず、取りすぎた分を返してもらって喜ぶのか? さらに愚かしいのは、借金をしなければ家を買えない貧乏人が、「ローン審査が通った。貸してもらえるのは、私(夫)の信用が高いから」などと、誇らしく思っている姿だ。お金を貸してもらえたことが何で自慢になるのかわからない。ローンを組んで家や車を買う庶民など、金貸しにとってはただのいいカモだ。もともとの価格以上のお金を自分で払うことになるのがローンというものではないか。払えなくなったら取られてしまう。それじゃ、自分のものじゃないでしょう。 「ローン審査」などと仰々しく言い、それに通ったらひとかどの人間のような錯覚をさせる。本当はお金がないから、欲しいものを手に入れるためには借金をしなければいけない。それだけの話から目を背けさせるための金貸しのペテンだ。そして、何年も利息を払い続ける貧者は、借金があるゆえに、いつまでも貧者に留まる。そのうえ、「家を持っている」「車を持っている」と言って、そこから国にさらに税金を取られるのだ。これじゃ死ぬまで貧者だ。 もともと1人で始めた仕事が増えてしまって、今ではMizumizuはフリーランスの方に仕事をお願いすることも多々ある。というか、仕事が増えるにしたがって、税金にからむ事務が増えてしまい、本業ができなくなったのだ。おかげで個人としてのスキルは落ちる一方。「経営」と言えば聞こえはいいが、小さい会社の経営なんて、要は事務屋。 外注費を支払う際に義務付けられている源泉預かりなんてものも、事務手続きをやってるこっちにすれば、まったくもって時間と労力の無駄以外のなにものでもない。他人の税金を預かり、半年ごとに計算し、いちいち税務署に納めに行く。バカにしてませんか? 取りすぎた分は申告にしたがって後から還付。こうやって毎年毎年、非効率な儀式が繰り返される。天引きなんてやめて、申告ベースで個人に納めさせれば、1度で済む話じゃないのか? 「消費税をプールしておくことのウマミ」については過去にも書いたが、もう1度言うと、何かを売上げ、消費税を顧客に払ってもらったら、会社はそれをいったん金融機関にプールすることになる。そして所定の時期に経費計算したうえで必要額を払う。右から左へ納めるわけではない。 すると、どういうことが起こるか? プールしている消費税は金融機関に置いておくわけだから、それに対して金利がつくのだ。Mizumizuみたいな小さな会社にはほとんど関係ないほどの微々たるものだが、これがトヨタのような大会社になったらどうだろう? 間違いなく、消費税をプールしている期間に、相当金利で儲かるはずだ(たとえ20%国に取られても・笑)。 財界がさかんに消費税アップを求めるのは、大きな会社にとって消費税は、目に見えにくいウマミがたくさんある税制だからだとMizumizuは思っている。表向きは「国の社会保障がもたなくなるから」だが、そう言いながら「国際競争力の観点から見て、法人税は下げるべき」などと主張する。結局自分たちの生き残りが大事で、全然国民のことなんて考えてないじゃん(苦笑)。 家や車は持ってるから税金がかかるのであって、持てない人間よりいい・・・と言う人もいるだろう。それは基本的に「持てない者」の理屈で、「持っている者」は、それに対する税負担に常に不満で、不公平だと思っているものだ。キャッシュを生まないアセットに課税されることは誰にとってもキツイ。だから、資産家になればなるほど、脱税に興味をもつ。 国のほうは、「持てない者」が「持っている者」に対して抱く敵愾心を必ず煽ろうとする。「XX(有名人や資産家)が脱税」というニュースが、実際には税法の解釈の相違から生じたことであっても、おかまいなしに大々的に報道されてしまうのは、そうした裏があるとMizumizuは思う。「脱税」のレッテルを貼られると、社会的信用が一挙に失墜する。 こうやって国民は分断され、「持てない者」と「持っている者」が共闘して国家による合法的追いはぎ行為を抑制することは不可能になる。実にうまく出来ている。
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最終更新日
2010.07.15 05:29:43
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