二度目の長崎でもやはり暖簾をくぐったのはカステラの匠寛堂。
清潔な店内で、さっそく試食させていただく。
座って食べられるので、まるでちょっとしたお招き気分。
格子の丸窓の袂のディスプレイも、どことなく「長崎」。
長崎の店は、どこに入っても非常に感じがいい。北関東あたりの有名観光地だと、「その接客態度は何? いくら放っておいても客が来るからって…」と呆れてしまうような店もあるし、地方の田舎に行くと、「なんか警戒してませんか? ワテラ、別に怪しいものじゃございませんが…」と言いたくなるような内向的な店員に会うことも多々なのだが、さすが国際都市として長い歴史をもつ長崎。それなりの店では、誰もかれも客扱いがうまい。しかも、いかにも「商売上手」と言うのではなく、丁寧にもてなしてくれている素朴さも残っている。だから、返って、いったん入ると何も買わずに出てきにくくなる(苦笑)。
以前買って、心底うなったカステラの最高傑作「天地悠々」と普通の商品(?)「はちみつカステラ」を購入。
「天地悠々」は桐の箱入り。これ…正直に言うとリピーターには無用なのだが(苦笑)。
初めて食べて美味しいと思っても、二度目には、「あれ? こんな程度だったかな?」と思ってしまうものも世の中には多いが、「天地悠々」ではもう一度ちゃんと感動させてもらった。
しっかりした味だが決してくどくなく、もっちりした食感には、「さっくり」と「しっとり」が同居しているよう。一口で何重にも美味しい。
個人的には、匠寛堂の「天地悠々」がナンバーワン・カステラだと思う。
とはいえ、長崎という街は本当にカステラのレベルが高い。東京で売られている長崎カステラって、わざわざ長崎で売れないものを選んで送ってるんじゃありませんか? などと邪推してしまうくらい、どのカステラメーカーのものも、それぞれにファンがいそうな個性がある。いろいろ買ってみたが、ひどく「はずれた」と思うものはなかった。
あっさりしたカステラを好む人、卵の風味の強いカステラを好む人、どんな細かな嗜好にも必ず合うカステラがありそうだ。東京にいては知りえなかったカステラの奥深さ。それを知ることができるだけでも、長崎は何度も訪れる価値がある。
匠寛堂の「はちみつカステラ」も、やや甘みが強く、ぎゅっと中身が詰まった味。これも好みだった。
匠寛堂の過去エントリーは
こちら。ちなみに、車で来た観光客の方は、店舗の裏に専用の駐車場があるよう(7番か8番だ…と聞いた気がするのだが、うろ覚え)。