アトリエ・タントマリーと言えば、ベストセラーはノルマンディーAOCカマンベールを贅沢に使ったカマンベールチーズケーキ。それについては、すでにこちらで記事にした。
「食べる人を選ぶ」チーズケーキだが、このアトリエは他にもピタリとこちらの嗜好にハマる創作ケーキを作ってくれる。いつも・・・ではない。微妙にストライクゾーンを外れることもあるが、「人を選ぶ」食べ物というのは、常にそういうものだ。
マスカルポーネチーズを使ったこちらのルーロ(ロールケーキ)は、Mizumizuの中では、シンプルながらも極上の逸品。
フロマージュ・ブランも好きだが、イタリアのマスカルポーネも大好きなのだ。
ちなみに、カマンベールチーズ自体は、目がないというほどでもない。
このルーロは、マスカルポーネを上質の生クリームとマリアージュさせ、軽さとコクの最高のハーモニーを醸し出している。これはマスカルポーネ? と思う。マスカルポーネの味を舌の上で探す。確かにどこかマスカルポーネだ。だが生クリームでもある。しかも、ただの生クリームではない。確かに、マスカルポーネを含んだ生クリームで、その配合が絶妙なのだ。
チョコレートの生地も最高と言っていい。チョコレートの質の高さは、誰にでも理解できると思う。押し付けがましくない上品さでしっかりとカカオの風味を主張する。生地があまりふわふわでないもいい。大人の食感なのだ。
シンプルだからこそ好みが分れ、人を選ぶロールケーキ。
タントマリーのチョコレートとマスカルポーネのルーロは、間違いなくそうした作品のなかの最高峰に位置する。