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カテゴリ:Travel (インドネシア、バリ)
ウルワツ寺院で起こったとんでもないこと・・・ それは、Mizumizuがサルに怪我をさせられたのだ。 現場はこちら。 この階段を少しのぼったところで、海側の壁の上にいたサルがMizumizuの帽子を取ろうと、肩に飛び乗ってきた。 「あっ」と帽子を押さえたら、手の甲にサルの鋭い爪が当たった感触があった。帽子は取られなかったが、サルはあっという間に逃げ去った。脇にいたMizumizu連れ合いも気づかないほどの一瞬の出来事。 ちょっとエグい写真なのですが・・・ これがそのときの傷。かなり深い。 多少出血はあったが、痛みはさほどでもなかった。怪我をしつつも夕陽にはまだ未練があったのだが、ケチャを見ないかと声をかけてきたお兄さんが近寄ってきて、日本語で、 「どのホテルですか」 と聞いてきた。ウェスティンだと答えると、 「ホテルに帰りましょう。ホテルにはドクターがいます」 と親切にも教えてくれた。ホテルにドクターが常駐しているとは思えなかったが、リゾートホテルがまとまって建っているエリアなので、英語のできるドクターを呼んでくれるということかもしれない。 「こういうこと(サルに襲われて怪我をする)は、ここではよくあるのですか?」 と聞いたら、首を横に振っていた。 確かにMizumizuもバリ島でサルに襲われたという話は、聞いたこともないし、本などで読んだ覚えもない。しかし、たしかHIVってのは、サルから人間に移ったという説があったんだっけ? ということは、サルに引っかかれて、哀れMizumizu、HIVに感染か・・・? 今から考えればバカバカしいような妄想で、ホテルへ戻るタクシーの車中で落ち込むMizumizu。 ホテルに着くとドライバーがホテルマンにさっそく説明してくれた。するとフロントの脇にある小部屋に通され、「大丈夫ですか?」と、ホテルのマネージャーが話し相手になってくれる。 「バリ島のサルはよく人を襲うのですか?」 ケチャのお兄さんにも聞いたことをここでも聞いてみた。やはり、首を振るマネージャー。 「いや、聞いたことがありません。ウルワツのサルは帽子を取っても後から返してくれますから」 え? 後から返してくれるの? 「食べ物が入ってるものは返しません。しかし、役に立たないものは木の上から下に投げてきます。食べ物を与えれば、すぐに返してくれるでしょう」 た、食べ物と交換ですか? サルの談話「そうだよ。覚とけ!」
「バリ島のサルは悪い病気を持っていますか?」 「いや、そのような話は聞いたことがありません」 のんびりした言い方なので、恐らくサルから感染した病気の話というのは、本当に聞いたことがないのだろう。マネージャーが話し相手をしてたおかげで不安感をもつこともなく、待つこと10分ほどでドクターと看護婦がやってきた。 おお、早い・・・! と思ったのだが、ドアを開けて入ってきたドクターを見て、ややビビる。「もしかして、さっきまで食堂で働いていませんでしたか?」と聞きたくなるような雰囲気の、20代にしか見えない小柄な女性。白衣も着ていないからなおさらだ。 ほ、本当に彼女がドクター? しかし、専門用語を交えて英語はきれいに話すし、キビキビしている。「抗破傷風薬を注射したいが、まずアレルギーテストをします」と言われ、テストしたところ、反応がでたので、注射はできないということになった。それから、 「縫ったほうがいいです」 え? 今ここで? 病院でもなく、ホテルのフロントの脇の応接室ですが・・・ 「今夜日本に帰るのだが、帰ったあとではなく、今縫ったほうがいいですか?」 小学生のころ自転車でコケて、てのひらを3針縫ったことがあったが、そのときの治療が痛かった記憶があって、できれば縫いたくないと思ったのだが・・・ 「今縫ったほうがいいです。時間をおくと皮膚の癒着が悪くなるから」 というキッパリしたドクターの言葉に従うことにした。看護婦が局所麻酔の注射をし、若い女医さんは別に緊張したふうでもなく、笑顔でこちらに、「深呼吸して、リラックスしてください」と言って縫い始めた。 ホテルの従業員もいて、終わったときは笑顔を向けてくれ、全員で怪我をしたゲストの気持ちを慰めようとしている雰囲気が伝わってきた。 このときのスタッフの対応で、ホテルの印象はずいぶんとよくなった。孤立したリゾートホテル群で、ぶらっと街歩きもできない場所に隔離されているようで若干不満だったのだが、万が一のこうした事態が起こったときの態勢は素晴らしかった。 ドクターにも、たとえばHIVなど、サルからの感染症を心配する必要があるかどうか聞いてみたのだが、「バリ島では、そうした例はない」という答えだった。 縫い終わると、抗生物質と万が一痛みが出た場合に備えて鎮痛剤も置いていった。治療費はホテルに払ったのだが(後日保険金を受け取ってチャラになったのだが)、治療費に薬代を含めても、7000円ほどだった。 飛行中に痛みが出ないか心配だったのだが、別に大丈夫だった。 日本に帰ってきて、近所の外科に数回消毒のために通院し、抜糸してもらった。結局鎮痛剤のお世話には一度もならなかった。一応、日本のドクターにも感染症について聞いてみたが、「現地の医者が一番よく知ってるから、現地で大丈夫と言われたんなら大丈夫でしょう」という、実に適当な答えが返って来た(苦笑)。 結果として別に破傷風にもならず、もちろんHIVにも感染せず、順調に治った。日本で診てくれた外科医も、「ホテル専属のドクターというと、だいたい内科系で、縫ったりできない人も多いんだけど、きれいに縫えてますね」と褒める。見た目はホテルの食堂にいそうなお姉さんだったのだが・・・(笑) 今では縫ったあともほとんど消えた。あのとき適切な治療をしてよかった。すぐにホテルに帰るよう促してくれたケチャの客引きのお兄さん、温かな思いやりを示してくれたホテルのスタッフ、適切な判断と治療をしてくれたドクター・・・・・・ バリ島の皆さんに感謝せねば。 しかし、1人だけチョイ問題児が。それは、ガイド氏。彼は空港にMizumizu+Mizumizu連れ合いを空港に送るためにホテルにやってきて、Mizumizuの怪我を知った。 そして、部屋に入ってくるなり、金切り声で、「ど~して、僕を呼ばなかったんですか!」と感情的な声でオーバーに叫び、 「僕ならサルに襲われないように、しっかり見張っていたし、帽子ならあとから返してもらえるんですよ。食べ物を出せば。タクシーのドライバーは何も言わなかったの?」 とちゃっかり自分をアピールする文言を、まるで彼を通さずに行動したMizumizuを責めるかのような口ぶりでまくし立てたのだ。 Mizumizu連れ合いが、「あなたのせいじゃないから」と逆になだめる始末。 「サルに怪我させられた人って知ってる?」 と聞いたら、彼も、「いや、初めて」。 よほど珍しい例になってしまったようだ。 さぞや、今頃あのガイド氏、ウルワツ寺院に自分抜きで行ってサルに引っかかれた日本人観光客の話を同じ日本人観光客に持ち出して怖がらせ、ウルワツ寺院に行くなら自分をガイドとして連れて行くようアピールしていることだろう。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2011.07.28 14:19:39
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