福岡県と大分県の境、緑深い山々に囲まれた小さな里、星野村。
「村おこし」と称して、観光客を呼び込もうとしたもののアテがはずれ、奇妙に立派なハコモノだけが残った・・・というような地方の田舎町も多いが、星野村は(おそらく)例外的に、観光開発に成功している村だ。
訪ねてみて、「ここに来る価値があるだろうか」と考えてみた。答えはイエス。その理由をMizumizuなりに挙げるとすれば・・・
1)村独特の文化・景観がある
2)九州を訪ねる観光客にとっての必須アイテムともいえる、温泉がある
3)自然がいっぱいの、本来の日本の村の素朴な雰囲気を残している
4)サービス業に従事する人々に、「おもてなしの心」がある
といったところだろうか。
個人的には長期滞在したいとまでは思わないが、まる1日過ごすには、十分な魅力のある山村だ。
お茶で有名な星野村だが、村を代表する景観美としてまっさきに頭に浮かぶのが、棚田。
もちろん、村のあちこちに棚田があるわけではない。フォトジェニック(苦笑)な棚田は一箇所だが、急な山の斜面を切り取るように作られた棚田は、やはり一見の価値がある。
棚田といえば、バリで見た棚田を思い出すが、もともとは貧しい山村の農民の苦肉の策として生まれたものだ。
当然ながら辺鄙な場所にある。実際に棚田を作り上げ、生活に必要だからという理由で守ってきた人々にとっては、自分たちの棚田が美しいとかどうかなど眼中になかっただろう。それをありがたがって見たがり、排ガスをまきちらす文明の利器を駆って出かけていって写真におさめる。
いつもそこに、奇妙なパラドックスを感じてしまうのだが、そうは言ってもやはり景観としての棚田は、常にMizumizuの心を魅了してやまない。