蓼科高原への入り口、茅野(ちの)駅に午前9時ちょっと過ぎに着くと、まさに雲ひとつない晴天が広がっていた。こんな条件のいい日はめったにない。レンタカーに乗り込むと、すぐに山へ向かうMizumizu一行。
ヴィーナスラインにのればそのまま山麓のロープウェイ駅に行くはずなのだが、距離の関係かナビが導いたのはメルヘン街道を通ってヴィーナスラインに途中で合流するルート。メルヘン街道は、どこがメルヘンなのかよくわからない、普通の田舎道だった。渋滞は一切なく、すいすいで目的地である「北八ヶ岳ロープウェイ(ピラタス蓼科)」乗り場に約1時間後に着いた。
なんともう広い駐車場はほぼ満車状態。ぐるぐるしたあげく、タイミングよくでてくれたクルマが一台いたので、ようやく停めることができた。
スイス風の、まだ新しく見える木造の建物が青空に映える。やはり天気がいいと、わくわく感が違う。クルマを降りて山の空気を吸えば、さらに期待感が高まってくる。
職員もチロル風の制服を着て観光客をお出迎え。しかし、ここは日本なのだから、なにもスイスのまねっこをする必要はない気がする。スイス旅行が高嶺の花だった時代の発想だ。
本当にこれ以上ないくらいの快晴。少し黄色く色づいた木がすがすがしい。
ロープウェイ乗り場に行くと、すでに長蛇の列だった。しまった、せっかく3人なのだから、駐車スペースを探す間に、誰かが先に並んでおくべきだった。「どのくらい待ちますか?」と職員に聞くと、「40分ぐらい」とのことだった(が、結局1時間待った)。
観光バスもやってきて、15分もたたないうちに行列はさらに伸び、「ただいま最後尾は1時間半待ちとなっております」とアナウンスが響く。
10時に着くか10時半に着くかで、並ぶ時間がかなり違ってくるということだ。
並んでいる人の年齢層は高めで、皆かなり本格的な山歩きの格好を整えている。トレッキングをするつもりのないMizumizu一行は、周囲から浮くぐらいの軽装。もう少しあったかい服をもってくるべきだったと後悔する。なにしろ東京は10月というのに30度越えの暑さで、信州の山の気候が想像できなかったのだ。やはりいきなり思い立って来ると、抜けてしまうことがある。ちょっとばかり甘かった。