羽生選手は4回転トゥループの確率も凄い。そこに目が行きがちだが、やはりなんといっても、トリプルアクセルの精度があまりに凄くて舌を巻く。
加点3点がずらっと並ぶイーグル+トリプルアクセル+イーグル(チェンジエッジ)イーグルのショートも凄いが、フリーのしかも後半に、トリプルアクセル+シングルループ+トリプルサルコウのジャンプって…
これだけで基礎点が14.52点。今回あの状態でも決めてきた。1点3人に2点6人の加点が、いっそ渋くさえ見える。それにしたって、加点を入れて、この3連続ジャンプ(と今は言う)1つだけで16.23点だ。
ほとんど助走をつけない状態で跳んでも、アクセルジャンプは大きくきれいな放物線を描くハイクオリティ。ダブルじゃなくてトリプルですから。
スゲー としか言いようがない。
男子フィギュアは羽生結弦以前と羽生結弦後で、概念が変わってしまうかもしれない。実際、羽生選手の「人間ですか? 神ですか?」のフリーのジャンプ構成を見たあとでは、フリー冒頭に4回転を跳んでも、後半にダブルアクセルを入れてくる他の男子選手のジャンプがガクンと見劣りがするようになってしまった。
幸いにも、今回羽生選手の脳に異常はなかったとのこと。足の捻挫は、演技中のトリプルループの転倒のときにひねったものだろう。
怪我をしっかり治してください。怪我さえなければ、「絶対(転倒)王者」や「皇帝」を凌ぐ、「絶対氷帝」の座はあなたのものだ。