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浅田真央の麗しきポスターに迎えられ、高島屋の寝具売り場に向かうと、エアウィーヴコーナーには販売員がスタンバイ状態。 まずは、張り付いたような笑顔がややぎこちないおねーさんに、こちらからアプローチ。 既存のベッドに敷くタイプではなく、フローリングに直接敷くタイプを探している旨を告げると最新のブランドがあるとのこと。 エアウィーヴ 四季布団 「和匠」 従来の「四季布団」にエアウィーヴS-LINEの機能をプラスしたもので、肩のあたりは柔らかく、腰のあたりは硬めにアレンジして進化させたものだという。 さっそく試させてもらうと… う~ん… 以前のものより確かによくなってはいると思うが、ぱっと寝てすぐに、いつも寝ている西川AIRプレミアムよりいいかと言われると、「?」。 枕も何種かもってきてもらうと、「S-LINE」がえらく心地がいい。 あれやこれや試して、かなり「本気で検討してます」オーラを出し始めると、そこへ店長さんが登場! すごい勢いでプレゼンテーション始めた。 「錦織選手もずっとエアウィーヴなんです! 浅田真央さんも、腰痛もちなんですけど、エアウィーヴで腰回り軽くなられたそうなんです!」 はあ… 錦織選手のことはよく知らないが、浅田選手は2009年からエアウィーヴのサポートを受けてるハズ。しかし、彼女をめぐる「腰痛が酷い」話は、むしろ最近になってよく聞いたような気もするんだが… ま、スポーツ選手の腰への負担は尋常ではないし、寝具で根治できるものではないし、エアウィーヴ使っていたから、あれだけの高難度ジャンプを跳びながらも、大きなけがなく試合に出続けることができたってことかね? 「エアウィーヴはすごく通気性がいいんです! 夏は特に涼しくて寝やすいんですよ!」 明らかに、低反発マットレスに対する優位性の強調だ。しかし、西川AIR愛用のMizumizuは、夏の寝具の通気性について不満をもったことがないのだ。 イマイチ納得できずにいるMizumizuだったが、その「流れ」が変わったのは、店長さんのあるデモンストレーション。 「ちょっと座ってみてください。体圧分散に優れてるから、腰への負担が全然違うんです!」 そう言ってやってくれたのは、エアウィーヴを敷いた状態と敷いていない状態で、腰かけた客の腕を前に突き出させ、そこに彼女が体重をかけるという実験。 すると…! この実験の効果は甚大だった。エアウィーヴに腰かけた状態だと、荷重をかけられても、腰に負担を感じない。ところがエアウィーヴなしで同じことをされると、「イタタッ」と腰が痛み、体が逃げようとして傾いでしまう。 「こんなふうに腰に負担がかからないんです。腰まわりが軽くなります!」 「私も肩こりひどくて… でもエアウィーヴで寝るようになってから、肩が沈まないので(肩のうえに体をのせて寝ることがなくなったという意味だと思う)、肩こりも治って」 「若いころは寝具なんてこだわらなかったんですが、40超えてから、やっぱり寝具って大事だな~って分かって」 などと個人的な体験を交えながら、巧みにアピール。 そして、 「今なら、イベント用のプレゼントとして作ったクッションがあるので、お買い上げのお客様に差し上げられます」 とオマケまで用意してる。 見ると携帯用の小さなクッションで、日ごろ硬い木の椅子などに座ると(痩せすぎで)臀部が痛くなる、Mizumizu連れ合いにはピッタリのお品。 「おお~」と喜びの声をあげるMizumizu+Mizumizu連れ合い。←単純 さらに、パンフレットを見せられる。 そこには開発に携わった日本睡眠学会(そんなのあったんかい!?)のナンタラ医師。ナンタラ大学のスポーツ科学のナンタラ医師…と、立派な肩書きの研究者の名前が並んでいる。 科学的に開発されたマットレスだということをしっかりアピール。 また、JAL国際線のSUITE777ファーストクラスに採用されましたとか、「ななつ星in九州」のデラックススイートに採用されましたとか、1人1泊20万も取る「天空の森」に採用されましたとか、ずらりとハイブランドの名前が並ぶ。 まあ、カネのかかった商品だということはよくわかる。これだけハイクラスの「おもてなし」機関に採用されたということは、営業も相当カネかけただろう。浅田真央と坂東玉三郎というイメージキャラクターも、身体が資本の「超美形」を選んだ絶妙の選択だ。 パンフレットそのものにも、相当カネかかってる。 パラパラめくると、 「エアウィーヴは進化を繰り返します。」 のキャッチフレーズが目に飛び込んできた。 「じゃあ、以前のはそんなによくなかったわけ?」と突っ込みたくなるような、でも、「それなら以前西川を選んだときより、エアウィーヴはよくなってるってことね」と思いたいような。 「低反発マットレス」や「ムアツ系マットレス」からの乗り換え客を狙うには、実に的を射たキャッチコピーではある。以前、何かの理由でエアウィーヴを選ばず、別のタイプのマットレスを買った客にも、「そのころより改良されていますよ」と訴求できる。 よく考えられている。 コピーライティングにもしっかりお金かけてるわけね。 ふと向こうを見ると、サッカーのネイマール選手がほほ笑む西川AIRのコーナー。しかし、販売員の姿は見えず、さみしーい感じ。 ちょっと比較したいと思って、そちらに行くと、西川AIR専門の営業ではなく、高島屋の寝具売り場の担当者みたいな人があわてて出てきて応対してくれたが、特に売り込みはなし。 しかも、試したAIRはレギュラーモデルで、Mizumizu所有のプレミアムモデルではなかったから、特に良さも感じない。さらにさらに、下に敷く電気毛布のようなものを稼働させていて、変にあったかく、狙いとはうらはらに、そのあったかさが、返ってAIR素材の「人工的な」感触を高めてしまい、気持ち良くなかったのだ。 今思うと、東京西川は、羽生結弦選手起用の新モデル展開の準備に忙しく、こっちの旧来モデルには重きを置いていなかったのかもしれない。 で、再び目を上げると、向こうには上品にほほ笑む浅田真央と坂東玉三郎のツーショット。ピンクと灰色の2人の衣装は、その色が2人に似あっているというだけでなく、2色の彩度を合わせるなど、色彩学の知識を感じさせるものだ。 う~ん、すごいなー、エアウィーヴ。開発に信頼度の高そうな研究者を絡め(実際には全然知らない人だけど・笑)、パンフレットも質のいいものを作り、さらに営業もしっかり訓練された人員を配置している。錦織選手、浅田真央、坂東玉三郎とイメージキャラクターも豪華な布陣。 サッカーにはあまり詳しくないので、ネイマール選手を見ると浮かんでくるのは、ワールドカップでの悲惨なアクシデントの情景。かたや浅田真央といえば、ソチでの「女子を超えた」としか言いようのない、空前絶後のフリーの演技。 もちろん、フリー演技中のワンショットもポスターになっていた。恐らく後半のトリプルループを決めた直後のものだと分かる(←どこまでリピートして見てる?・笑)。瑠璃色を基調とした衣装に身を包んだ、生き生きと躍動感にあふれた浅田真央の魅力がその一瞬に凝縮されたようなポスターだ。 再び、エアウィーヴコーナーに戻ると、すぐに寄ってくるセールスの上手な店長。 「(高島屋の)ポイントはつきますか?」 という質問にも、 「はい! お付けできます!」 と完璧にこちらの期待に応えてくる。 「買おうかな~」 と、一応迷いながら、Mizumiu連れ合いの顔をうかがうと、あっちに横になったりこっちに横になったり、枕替えたり、枕の中身を調整したり(エアウィーヴの枕は、中のシートの枚数を変えることで高さ調節ができる)、さんざん時間かけてるMizumizuの買い物行動にうんざりしたらしいMizumizu連れ合いは、 「気に入ったんなら、買えば?」 通訳すれば、「もう待ちくたびれたよ。早く決めて」という返事。一応、「主人のお許しが出ましたので」風の顔で、お客様用テーブルに座り、支払を済ませるMizumizu。 マットレス、枕、送料(300円)、消費税、トータルで15万1308円也。 というわけで… 西川AIRを買い足すつもりで行って、あっさりエアウィーヴ陣営に取り込まれた! 凄いなエアウィーヴ。この全方位からの販売攻勢。背後には諸葛孔明がいるに違いない。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2015.03.15 23:41:23
[Figure Skating(2014-2015)] カテゴリの最新記事
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