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男子シングルのグランプリファイナルは素晴らしい試合だった。 羽生選手のショートのトンデモな得点を見て、他の選手が意気消沈するのかと思いきや、さにあらず。フリーで高難度のジャンプを次々と跳び、成功させていく世界トップ6の選手たちの技術と情熱に圧倒された試合となった。 松岡修造氏も開場の熱気について言及していたが、ある意味、勝負はショートで見えてしまった試合で、これほど観衆が熱狂し、選手の素晴らしい演技に惜しみない拍手を送る光景は、「暗黒のバンクーバー五輪」前後に失われてしまった男子フィギュアの人気の復活を印象づけるもので、長くこの競技のファンをやってきたMizumizuとしては、それが何よりうれしい。 ストイコが「武闘的」な4回転を成功させる。プルシェンコが「不敵な」高難度ジャンプを連発する。そのたびに観衆が湧き立つ。あの男子フィギュアにあった熱狂が失われて、何年が経っただろう。 勝たせたい選手を何としても勝たせるために、その選手の長所をやたらと評価し、他の選手の短所をことさら貶める意図的な採点がまかりとおり、不可解が採点が出ると、「スケートはジャンプだけではなく、トータルパッケージ」などという、後づけの苦し紛れの正当化解説を聞かされ、あれほどフィギュアを愛していた北米の観客は、すっかりフィギュアスケートの会場に足を運ばなくなった。 ジャッジの出す点が変なのは、もう分かり切っている。 だが、素晴らしい演技はやはり、誰が見ても素晴らしいのだ。 今回のグランプリファイナルの男子シングルの試合は、「誰にでも分かる凄さ」のもつ凄さをまざまざと見せつけた。 2時間半を超える長い番組。しかも生でもない試合の平均視聴率がなんと平均20・7%(関東地区)。最高視聴率が29・2%。 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20151214-00000089-spnannex-ent 13日にテレビ朝日で放送された「フィギュアスケートグランプリファイナル世界一決定戦2015」(後7・25~10・10)が平均20・7%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)と高視聴率を記録したことが14日、分かった。同日に放送された好調のTBS日曜劇場「下町ロケット」(日曜後9・00)第9話の18・2%を上回った。瞬間最高視聴率は午後10時8分の29・2%。男子初の3連覇を達成した羽生結弦(21=ANA)が表彰台で笑みを浮かべる場面だった。 13日は「男子フリー」「女子フリー」を放送。既に結果が分かっている録画放送ながら、高視聴率を叩き出した。フリーに続いて午後10時10分から放送された「エキシビション」も平均19・2%をマークした。 男子は14年ソチ五輪金メダリスト・羽生が12日のフリーで219・48点、合計は330・43点で、ともに自身がNHK杯でマークした世界歴代最高得点(フリー216・07点、合計322・40点)を更新。2位のハビエル・フェルナンデス(24=スペイン)にファイナル史上最大の37・48点差をつけ、男子初の3連覇を飾った。 凄い数字だ…(汗)。 この数字は、人々が必ずしもフィギュアに「勝負の面白さ」は求めていないことを示している。「凄いものは誰が見ても凄い」。そして「凄いものは見たい」。 このシンプルな人々の要求を、今回のグランプリファイナル男子シングルは満たしてくれた。これほどレベルの高い男子シングルの試合は、かつて見たことがない。 点差を見ると羽生選手の圧勝だが、彼は1つミスれば、20点レベルで点を失うような非常にリスキーな構成で試合に挑んでいる。 これにはシステムの問題(現場のジャッジの採点行動の問題ではなく、ルールそのものの問題)も絡んでおり、例えばチャン選手のショートの低すぎる技術点など見ても、システムをいじって、点数があまり下がりすぎないように手を入れるべきではないかと思う。 それは後日また書くとして、これほど急速に男子シングルのレベルを引き上げたのは、もちろん羽生結弦だが、もう1人隠れた立役者がいる。それは金博洋(ボーヤン・ジン)だというのがMizumizuの見方だ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2015.12.14 18:16:50
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