「旅好きが選ぶ! 道の駅ランキング2018」で1位を獲得したという豊北の道の駅。ここは、夏の絶景・角島橋に近いとあって週末は県内だけでなく、九州その他からも観光客がどっとやってくる。
角島の海は、晴天の夏、それも午前中が最も美しい。曇ってしまうとあの「ここって本当に日本??」と思うような澄み切ったエメラルドの海の色は見られない。その意味で、天候と時間帯に大きく左右されてしまう「絶景」なのだが、それでも主に自動車のCMでよく使われて有名になったことから、夏の間は観光客がひきもきらない。
道の駅 豊北は、その角島を遠くに見るロケーション。海に向かって大きなテラスがしつらえてあり、トビの飛び交う海辺の景色をガラスなしで堪能できる。
この景色も人気のうちだと思うのだが、なんといっても週末すごい混みようになるのがわくわく亭というこの道の駅の食事処。
見よ! この大行列。ここは、券売機で食券を買って、セルフサービスで運ぶという庶民的な食事処なのだが、券売機がはるか先で見えないほどの行列になる。夏の間、週末に3~4回行ったが、だいたいお昼前にはこの状態だった。
それでも料理はどんどん出てくるし、回転は案外速い。メニューは豊富。地元の魚を使ったものがメインだが、カレーやうどんのような軽食もある。こういういろんなものをごっちゃに出す食堂はマズイと決まっているものだが、道の駅豊北は、数少ない例外。
絶品…とは言わないが、河豚や烏賊、地元の魚を使った料理は、お値段はとてもお手頃だが、その価格に対しての満足度が高い。逆に「とらふぐの刺身」などの高級食材を使ったものは、その値段のわりにガッカリだった。高級食材は高級店に任せて、ここではもっと庶民的なものを頼んだほうがよい。
Mizumizuのイチオシは、ふぐ天丼。見た目は「天丼てんや」と変わらない――なんて言ったら元も子もないが、不思議と飽きない味。何度もリピートしている。
日によってネタが変わる「おまかせ鮨」も、なかなか。白身の魚中心で、華やかな江戸前鮨に慣れた目で見ると、地味すぎてしょぼくれた印象だが、逆に白身の魚の味、歯ごたえのバリエーションの豊かさを知ることができる。白身魚が嫌いでないならおススメ。
お土産コーナーの魚は日によって違う。一度だけ天ぷら用のキスが売っていたのにあたり、買ってみたらあまりの旨さに衝撃を受けた。さくっとした軽い触感。やわらかいがプリっとした身の味わい。山口市内のスーパーでも、それなりに新鮮なキスは買えるのだが、明らかに一段上だった。
「山口の魚って、おいしいじゃん!」としみじみ実感したのは、有名なとらふぐではなく、ありふれたキスだった――というオチ。
窓越しに明るい海を見ながら、みんながおいしそうに食べている。
平和と豊かさがここにある。