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カテゴリ:Essay
【中古】文庫 ≪趣味・雑学≫ 銃・病原菌・鉄 上 / J.ダイアモンド【中古】afb 2020年2月25日。 日本政府は、入国申請前の14日以内に大邱市と慶尚北道の一部地域に滞在歴のある外国人の入国拒否を発表した。 中国山東省威海市は同日から、日本と韓国からの入国者全員を無料で指定のホテルに宿泊させ、14日間経過観察すると発表した。事実上の強制隔離政策だ。 だが、いずれにせよ、どちらもザル。 大邱にいたかどうかを客観的に事前に日本が把握しておくことなどできないわけで、自己申告しなければ入国できてしまう。中国だって威海市に入らず別ルートで入ってくればいいだけの話。 ロシアのように中国からの入国を全面ストップしなければたいした意味はないし、仮に全面ストップしたにしても、他国をうまく経由して入られたらどうしようもない。そもそも、もう感染はヨーロッパにも広がっている。 ここにきて患者が急増しているイタリアに対しても、EUは国境封鎖を行わないと発表した。 アメリカCDCも、アメリカでの流行はもはや避けられないと発表。 https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200226/k10012301611000.html (ここから引用)「これまで中国からの旅行の規制や検疫の強化で感染者を最小限に抑え、時間を稼いできたが、いまや、アメリカで感染が広がるかどうかではなく、いつ広がるかという問題になりつつある」。(ここまで引用) コロナウィルスにはまだまだ分からない点が多くあるとはいえ、80代以上になると死亡率がハネ上がることは数字でも裏付けられている。若い人は(0%ということはあり得ないので例外はあるにせよ)軽微なまま快復することが多い。 流行がどれくらい爆発し、どのくらいの人が亡くなるかは見えないが、ピークを迎えたあとは、様々な対策等によって感染症の流行は、少なくともいったんは必ず終息する。それが5月なのか、来年なのかは分からないが。 だが、いったんは終息し、あるいは有効な薬が開発されたとしても、またいつかこのウィルスは戻ってくる。他のウィルスと同じように。 SARSやMARSの流行に巻き込まれなかった日本人には今回のCOVID-19流行のショックは大きいが、考えてみれば人類史は感染症との闘いの歴史でもある。 外出を控えているせいで、このごろ読書が増えてきたMizumizuだが、シャレド・ダイアモンドの『銃・病原菌・鉄』は面白かった。特にこの時期に興味深かったのは、病原菌、すなわち感染症がいかに他民族の「征服」に大きな役割を果たしてきたかが詳細に書かれている点だ。 例えば、アステカ文明は、数では圧倒的に劣っていたスペインの軍隊によって滅ぼされる。それはスペインが持ち、アステカが持たなかった強力な武器による「文明力」の差だけでは説明できない。スペイン人が入ってきた時に、アステカ王国が内紛状態であったという国内事情に加え、彼らが持ち込んだ天然痘ウィルスが猛威をふるったことが大きい。 天然痘ウィルスはネイティブインディアンに対しても壊滅的な被害を与えた。入植してきた白人は、天然痘患者の使った毛布をわざわざプレセントしてネイティブインディアンに病原菌を振りまいた。 最終的に武器によって「征服」される前に、この感染症によってネイティブインディアンの人口が激減していたことは、世界史でおそらくは学んだはずだが、これまでの史学(それは征服した者が書いた歴史だ)ではむしろ、感染症のもたらした被害よりも、武器や知識といった文明力の差を誇示する傾向にあったと思う。 日本人(和人)がアイヌを征服していく過程でも同じことが起こっている。日本が北海道に本格的に進出したのは、ロシアの南下に危機感を持ったからだが、当時免疫を持たなかったアイヌ人に対し、天然痘、肺結核、梅毒といった病原菌を拡散させ、アイヌの人口を激減させている。 今回、武漢で発生した新型コロナウィルスは、実は市場から発生したのではなく、市場からわずか280メートルしか離れていない武漢疾病対策予防管理センターから流出したものだという説がある。 https://s.japanese.joins.com/JArticle/262641?sectcode=A00&servcode=A00 (引用)中国広東省広州の華南理工大学生物科学と工程学院の肖波涛教授は今月6日にグローバル学術サイト「ResearchGate(リサーチゲート)に論文を発表した。論文は新型コロナがコウモリから中間宿主を経て人に伝染した可能性よりも、湖北省武漢の実験室2カ所から流出した可能性を提起した。肖教授は武漢ウイルス研究所よりも武漢疾病予防管理センターが震源地である可能性が高いとみられると主張した。武漢ウイルス研究所は新型コロナが集中的に検出された華南水産市場から12キロメートル程度離れているのに対し、武漢疾病対策予防管理センターはわずか280メートルの距離にあるためだ。 肖教授は実験室からの流出とみている理由について、新型コロナの天然宿主である「キクガシラコウモリ」は武漢から900キロメートル離れた雲南省・浙江省などに棲息していて、食用としては特に使われていない点を挙げた。また、武漢市政府の報告書や武漢市民の証言を総合すると、華南水産市場でこのようなコウモリは扱われていなかったという。 反面、武漢疾病予防管理センターは2017年と2019年、実験用に多くのコウモリを捕まえた。2017年には湖北省・浙江省などで約600匹のコウモリを捕まえたが、この中には重症急性呼吸器症候群(SARS)ウイルスを持つキクガシラコウモリも含まれていた。当時、同センターの研究員は、勤務中にコウモリに噛まれたり尿をかけられたりしたと話した。同センターはコウモリの細胞組織を分離させてDNAとRNA配列などの研究を行ったが、ここで出た汚染されたゴミがウイルスの温床になったというのが肖教授の主張だ。(引用ここまで) <続く> お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2020.02.26 21:27:35
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