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Mizumizuのライフスタイル・ブログ

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2020.03.20
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カテゴリ:Essay





<昨日のエントリーから続く>

昨日の政府専門家会議の会見は、非常に分かりやすかった。尾身茂副座長の説明は網羅的だったし、重要ポイントを何度か繰り返して読み上げてくれたのがよかった。

Mizumizuが知りたかったのは、現状を専門家会議がどうとらえているかということと、これからジワジワと感染が広がっていった場合、軽症ながら1)基礎疾患を抱えていて重症化リスクの高い患者・2)高リスクの同居家族がいる患者を、どう「隔離」していったらいいのか、その指針だった。

前者については、イタリアで感染爆発が起こる前は、尾身氏は日本は「踏みとどまっている」としながらも、かなり抑え込みに手ごたえを感じている様子が見えたので、今回はもっと肯定的な見解を示すのかと思ったのだが、特に都市部でリンクの追えない感染者が増えていることなどを挙げて、「オーバーシュート」の可能性に言及。イタリアの信じられないような状況を見ているというのもあるのだろう、予想以上に厳しい表情が印象的だった。

後者に関しては、自宅以上・病院以下のような施設を行政側が用意すべきとの提言。これは大いに頷くとともに、「オーバーシュート」を防ぐうえでも是非ともやってほしい施策だ。折しも観光客が減っている。ホテルを借り上げるといった方法があるだろうし、協力が得られればと、こちらは願うばかりだが。

さて、まさしくオーバーシュートの渦中にあるイタリアだが、WHOのライアン氏が、その原因について「イタリアの高齢者率の高さ」と「多くの人が病院に押し掛けて対応できなくなった」こと、つまり、すでにMizumizuが書いたことをテレビで言っているのを聞いた。

素人でも分かることを今更言ってるのも、「なんだかな~」だが、とにかくこのウィルスは高齢者を狙い撃ちするのだから、イタリアを超える世界一の高齢者割合の国、日本
https://www.stat.go.jp/data/topics/topi1135.html
もイタリアのようなオーバーシュートに見舞われ、高齢者がバタバタと亡くなっていく(イタリアの死者は94%が60歳以上)可能性があるということだ。

一方で、日本では検査対象を絞り込み、初期の段階から医療崩壊が起こらないように国主導で備えたことも幸いし、今までのところは「多くの人が病院に押し掛ける」現象は起こっていない。

さらにイタリア化を防ぐ上での、心強い条件も見つけた。

こちらの記事
https://news.yahoo.co.jp/byline/takerodoi/20200317-00168187/
によると、

人口千人当たりの医師数でみると、イタリアのほうが日本より多いのだ(イタリア:4.0人、日本2.4人)。

ところが、その医師の平均年齢が問題。医師のうち55歳以上の人が占める割合が
イタリア:55%、日本:37%。
これには少し驚いた。イタリアの医師が半分以上が55歳とは。

さらに、人口千人当たりの看護師の数
イタリア:5.8人、日本:11.3人。

看護師という仕事は激務で知られていて、日本でも決して数が足りているとは言い難い。その日本の半分ぐらいしか、イタリアでは看護師がいないということ。これは医療崩壊の大きな引き金になりそうだ。

千人当たりのベッド数も
イタリア:3.2床、日本:13.1床。この差も凄い。

ちなみに、アメリカは2.8床、イギリスとカナダは2.5床、スウェーデンは2.2床。医療体制の整ったイメージのある北欧のスウェーデンの2.2床には驚いたが、アメリカもずいぶんと少ない。

こうしてみると、日本がいかに恵まれているか分かる。同時に、これが財政を圧迫しないわけはなく、将来的にこの恵まれた医療体制が維持できるのかと考えると、諸外国の状況を見ても、とても無理だろうと思わざるをえない。

幸いなことに、私たちは今、未来ではなく現在に住んでいる。感染者が増えていっても、イタリアより日本のほうが受け入れ態勢に余裕があるということは言える。専門家会議の戦略どおり、感染拡大のスピードを抑え、ピークの山を低く抑えることができれば、イタリア化は免れる。

さて、2週間の外出制限など、厳しい措置の取られているフランスだが、日本との奇妙な一致がある。

フランスは日本と同様(そして、イタリアと違って)、感染拡大の初期から検査数を抑える方針を取っている。発熱があっても自宅療養を推奨し、なるたけ医療機関には来ないように通達を出し、コロナが疑われる場合は、専門家が対処する。

今のところイタリアのような医療崩壊は起こっていないようだが、死者数は急激に増え、371人。感染者数が10891人。ここから計算した致死率は3.4%

日本は3/20付けで、1016人感染、35人死亡。ここから計算した致死率はフランスと同じ3.4%だ。

数日前も、フランスと日本の計算上の致死率が近いことを指摘したが、今日はぴったり一致した。だが、6699万人しかいない国で371人亡くなるのと、1億2000万人以上いる国で35人が亡くなるのでは、医療体制に与えるインパクトは段違いだろう。

この371人という数字、少し前のイタリアもそうだった。それがあれよあれという間に、1000人を超え、2000人を超え、3000人さえ超えて世界一になってしまった(ただし、中国の出している死者数が本当であれば、だが)

フランスがイタリア化せずに踏みとどまってくれるかどうか。ヨーロッパでも進んだ医療体制を誇る国だけに、フランスまでがイタリア化してしまったら、それこそ世界中の先進国も危うい。

それと、ドイツ。ドイツは感染拡大も比較的遅かったが、日本以上に踏みとどまっている国だ。感染者数は16290人と非常に多いが、これは検査を広範囲にやっているということだろう。それに対して死者数がわずか44人。致死率はわずか0.27%。これはアメリカの専門家が少し前に予測した「実際の致死率(0.2%程度になるだろうという予想)」に非常に近い。

ドイツも高齢者の多い国だ。人口に占める高齢者の割合は日本、イタリア、ポルトガルに次いで第四位。

その高齢者大国でもあるドイツで、死者数がこのまま増えずに踏みとどまってくれるなら、まだ感染拡大に見舞われていない国々はおそらく「ドイツ式」をお手本として感染防止に取り組めるだろう。





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最終更新日  2020.03.21 00:42:02



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