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カテゴリ:Essay
<昨日のエントリーから続く> ほんの1か月前までは、「(コロナで)東京オリンピックができないなら、ロンドンで」などと一部の不謹慎な政治家が口走っていたイギリス。あのころの余裕ぶっこいた「他人事」態度はどこへやら。今やコロナ死423人で、日本の43人をはるかに抜いてしまった。 医療崩壊を恐れたイギリス政府はこれまでの方針を大きく転換、外出禁止令を発令。といっても、通勤電車はいつもと同じかそれ以上に混んでいるよう。 https://www.bbc.com/japanese/52018068 イギリスで、新型コロナウイルス対策による外出禁止が始まった。ボリス・ジョンソン首相は23日夜、必需品の買い物や治療、絶対的に不可欠な仕事への通勤などごく一部の理由によるものを除く外出が禁止されており、警察は違反者を取り締まることができる。 しかし24日朝、ロンドン地下鉄は通勤者で混雑していた。利用客の中には、運行制限のせいでいつもより混んでいると訴える人もいた。 ジョンソン首相の声明は、ストレートに心に響くものだった。加えて、このウィルスの「何が」脅威なのかも明確に国民に伝えていた。 基本的に、イギリスがやろうとしていることは日本の戦略と同じだ。感染拡大のスピードをなるたけ抑え、医療体制がパンクしないようにピークの山をずらしていく。もし、ここで人々が自由に外出し、感染が広がって急激に重症者が増えれば、イタリアのようにあっという間に医療崩壊が起こる。 日本でも、新型コロナウイルス感染症対策専門家会議の脇田座長がNHKで同様の説明をしていた。オーバーシュートが起こってしまえば、「誰も何もできない」という脇田座長の「警告」。イタリアがどうして短期間にああなってしまったのかがよく理解できた。医療キャパを超えた重症者が一度に出てしまったときのインパクトは想像以上だ。 検査、検査と毎日毎日煽っていたメディアは万死に値する。あの、ほとんど反政府プロパガンダのおかげで、人々がこのウィルスの「一番の問題点」が何かを理解するのに、ずいぶんと遠回りをしてしまった。 感染のスピードを遅らせ、ピークをできるだけ後ろにずらして山の高さを低くする。日本の戦略は最初から正しかった。 この疾病は8割の人にとっては、ただの軽い風邪と変わらない。ところが、特定の条件を持った人には致命的になる。 おまけに症状は急変することが多い。人口の割合から言えば高リスクの人は少ないが、彼らが次々と罹患してしまった場合、感染する病気だけに、その防疫も含めて受け入れる医療側の負担は想像を絶するものになる。 そもそも医療関係者が対処しなければならない「死に至る病」はコロナだけではない。日々、生と死がせめぎあう医療現場に、キャパ以上の重篤患者が担ぎ込まれれば、他の助かる命まで助からなくなってしまう。 ヨーロッパの惨状を見るにつけ高齢者の割合が世界一の日本が、ここまで持ちこたえているのは驚異的だ。だが、それも非常に危うい状態にある。専門家会議から出された指針を一般人も厳格に守るべき。 熱が出てもすぐに医療機関へ行ってはいけない。これが厳格に守られているのだろうか? 今はそれが心配だ。「検査してもらえなかった」とか「たらい回しにされた」とか言ってる人の行動をよく見ると、熱が出るやいなや駆け込んでいる(あるいは駆け込もうとしている)人が案外多い。 専門家会議からの「瀬戸際」発言があったころは、人々は外出を控えていたが、このところの山口市の状況はと言えば、道は普段のように渋滞だ。 Mizumizuは外出を控えていて、今のところ買い物ぐらいにしか行かない。スーパーには消毒薬が置かれ、トイレのジェットタオルを休止させて紙タオルを置いているところもある。なかなか対策頑張っている。 逆に疑問に思うのが、処方箋を扱う薬局の対応。窓があるのに、閉めっぱなしで、空調をきかせ、密閉性バッチリ。病気の人が来るのだから、もっと換気に気を遣うべきではないだろうか。窓をあけて、寒いようなら人間が厚着をしたらいい。街中のスーパーの気の遣いぶりに比べて、処方箋薬局の密閉空間ぶりは際立っている。おかしい。 首都圏では、さいたまスーパーアリーナで6,500人も集めたK-1イベントが強行されてしまった。そして早速、観戦者から発熱症状が。怖いのは、観客の中に高齢者施設や医療機関に勤務する人がいて、そこから高リスクの人へと感染が広がってしまうケース。専門家が今の段階で一番怖いとしていた「メガクラスター」への直線コースだ。 法的拘束力のない自粛要請はもう限界にきている。強制的にやめさせなければ、またこういう愚行に走る輩が出てくる。倒産するとか生活費が稼げないとか言って、政府からの要請を拒否して興行を強制した者が儲けるような世の中はおかしい。その愚行を、集まった者たちの「感動」で取り繕おうとするのは、もっと悪い。愚の骨頂だ。 例えば、誰も大声を出すわけでもなく、それほどの数の観客が集まるわけでもないクラシックコンサート。これを軒並み自粛したせいで、楽器演奏者の生活がおびやかされている。みな自分の生活を犠牲にして協力している。倒産しそう、生活費が稼げない――同じ条件の人はいくらもいる。人の命がかかっているから、我慢しているのだ。 強制措置を急がなければ、3/28日には後楽園ホールでまた「強行開催」するつもりらしい。 https://twitter.com/k1wgp_pr/status/1242642820071972864/photo/1 早く政治決断を!! Mizumizuの意見に賛同される方は、こちらから東京都にメッセージをお願いします。 追記: 3/28のイベントは都との話し合いにより、ようやく本日の夕刻に、無観客試合で行うことが決まったとのこと。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2020.03.25 21:26:49
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