|
カテゴリ:Essay
<昨日のエントリーから続く> 今日の愚行民のニュースは神戸の警察。 警察署長の歓迎会で感染拡大 約120人が自宅待機 神戸市の1つの警察署で新型コロナウイルスに感染した警察官などが合わせて7人になり、このうち3人は先月末に異動してきた署長らの歓迎会に出席していたことが分かりました。 (ソースはこちら)。 今度は歓迎会ですか。ヤレヤレ。 どっかの大学生が卒業前にヨーロッパに旅行し、発熱したのに卒業式に出たとか、東京は不安だからと地方の実家に脱出して、あげく家族が感染とか、毎日のように出る愚行民のニュースにうんざりだが、これが「今日は500人亡くなりました」なんていうニュースに取ってかわられていないだけ、まだ救いがあるのかもしれない。 感染確認者数の異様な伸びを見れば、つまり、統計の「数字」だけを追えば、東京がニューヨークの二の舞になるのは時間の問題としか思えない。 だが、日本人の多くはまだ「そうならないかもしれない」という可能性をどこかで信じていると思う。 なぜなら、東アジアの多くの国では(というか、中国以外ではほとんど)、欧米のような死者累々の国がまだ出ていないからだ。地理的な近さや人の結びつきという面で見れば、イタリアのロンバルディアやニューヨークより先に、日本の東京や大阪がオーバーシュートに見舞われていなければおかしい。ところはそうはならなかった。 地理的に近いのに、一方の国では死者累々、もう一方ではそれほどでもないという現象はヨーロッパでも起こっている。それがスペインとポルトガルだ。 スペインはヨーロッパの武漢となってしまったイタリアとまったく同じ道をたどってしまった。4/10時点でのスペインの死者は1万5843人。ポルトガルは435人だ。4/1時点でポルトガルの死者は160人だったから、10日で275人の増加に留まっている(1日だと20人~60人の増加)。 ヨーロッパで最も統制の取れた国の1つであり、医療水準も世界最高レベルを誇り、かつ新型コロナの検査にも積極的なドイツでさえ、4/1から4/2の1日の死者数増加は143人だったのが、4/9から4/10の1日の死者増加数は258人に増え、このままではイタリア、スペイン、フランスの後追いになってしまいそうな勢いだ。 アメリカに至っては、4/1時点で4081人だった死者が4/10で1万6686。この数字に近いのがフランスで、4/1の死者数3532人→4/10で1万2228。国によって人口がかなり違うのだから、死者数だけ並べても死亡率は分からないが、それにしたってポルトガルの死者数の少なさは群を抜いている。しかも、今に至るまでその増加曲線は極めて緩やかだ。 各国の死亡者数 (国により国際データに反映されるまでのタイムラグが違うので実際より少ないこともある) 4/1→→4/2→→4/3→→→4/4→→→4/5→→4/6→→→→4/9→→4/10 イタリア12428→13155→13915→14681→15362→15887→→→17669→18279 ドイツ 788→→931→→1111→→1275 →→1444→1584→→→→2349→2607 日本 57→→→57→→63→→→→69→→→77→→→85→→→→→94→→99 アメリカ4081→→5116→5949→→7159→→7574→→9653→→→14817→16686 フランス3532→→4043→→5398→→6520→→8496→→8093→→10887→→12228 ポルトガル160→→187→209→→→246→→→266→→295→→→→380→→409 この差の背景にあるのはBCGワクチンを接種しているか否かにある、というのがここに来て有力視されている説だ。BCGワクチンが、なんらかの作用で新型コロナウィルスの感染、もしくは重症化を抑制しているのだとすれば、欧米であれほど死者が爆発的に増えているのに、東アジアでは同じ現象がまだほとんど起きていないことの説明としては非常に筋が通っている。 東京は感染者の数字だけを見れば、2~3週間後にはニューヨークのような惨状が繰り広げられていてもおかしくない。というか、そうならないほうがおかしい。だが、BCGワクチンが防護壁の役割を果たしていてくれるなら、そうならない可能性もある。 これまで日本人は清潔好きだとか、挨拶にキスやハグをしないお辞儀文化だとか、土足で家に上がらないのがいいだとか、いろいろな生活習慣の違いが言われてきたが、どうももうひとつ説得力に欠けていた。BCGワクチンと言われたほうが、よほど納得できる。 それから、もう1つの希望は、アビガンのような薬。催奇性があるとはいえ、死亡率の高い高齢者の重症化を防いでくれるなら、これはもう日本発の奇跡ということになる。 欧米がとんでもないことになっているのに、我関せずとばかり愚行を繰り返してきた愚行民だらけの日本。それでも医療崩壊が起きずに、緩やかな死者数の増加で食い止めていけたとしたら、もうそれはほとんど、神風のおかげだ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2020.04.11 09:41:25
[Essay] カテゴリの最新記事
|