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Mizumizuのライフスタイル・ブログ

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2022.02.10
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カテゴリ:Figure Skating(2021-2022)


北京五輪、男子シングルが終わった。金メダリストは4ルッツと4フリップを完璧に決め、当然のように4サルコウと4トゥループを入れたネイサン・チェン。銀メダリストは4ループ(少しだけ回転不足)、4サルコー、4トゥループを決めた鍵山優真。大きな武器である4フリップを失敗しながらも、4ループと4トゥループを決めた宇野昌磨。

実に納得しやすい順当な順位となった。つまり
アクセル→ルッツ→フリップ→ループ→サルコー→トゥループ
という、フィギュアの「伝統的な」難易度の順位付けに忠実な結果になったという意味で。

かねてからフィギュアは全員に公平な基礎点中心でいくべきで、主観で操作できる加点や演技・構成点を重視しすぎるべきではない、というのが持論のMizumizuにとって、この男子シングルは理想に近い形での競技会になった。基礎点重視といいつつも、やはり「モノにできていない」ジャンプを跳べば、点は伸びない。その意味でも、非常に健全な採点がなされたと思う。

金博洋(ボーヤン・ジン)の低得点を除いては…だが。

金博洋選手の演技・構成点の低さは信じられない。平昌五輪での中国人審判の「身びいき」不正が、尾を引いてしまっている気がする。4ルッツをきれいに決め、4トゥループも2回決め、ステップもスピンもレベル4の選手に、演技・構成点の5コンポーネンツで9点台を出したのが一人しかいないというのは、いったいどういうことか。

中国は明らかにシングルを捨てて、ペアに力点を置いているようだ。自国の「推し」がなければ、こういうことになる。

金選手の採点に対しては怒りをおぼえるが、日本人としては、日本人選手が2位、3位、4位に入ったのは素直に嬉しい。国内大会3位の選手が、上の2人を押しのけて、しかもオリンピックという大舞台で2位になるなんて、日本男子はいつの間に、これほど層が厚くなったのか。全盛期のアメリカのようだ。

だが、ひとつ気になる点がある。それはジャンプ構成の偏り。4回転時代に突入して、複数の4回転を持てば、必ずしもバランスよく6種類のジャンプを跳ばなくてもよくなった。一番有利なのは、(4アクセルは今はまだ夢のジャンプなので)4ルッツと4フリップを跳べる選手だから、ロシアなどは、ことさらルッツとフリップを強化している感がある。

だが、真の王者、真のオールラウンダーとは、「苦手なジャンプがない選手」だ。

ネイサン・チェンは4フリップを2回跳び、4ルッツと3ルッツを入れているがループを入れなかった。彼の名誉のために言っておくが、ネイサンは別にループが苦手ではない。ただ、今のルール上、入れる必要性を感じていないのだろう。

鍵山選手の場合は少し事情が異なるかもしれない。彼の3ルッツには、明確なアウトサイドという印象がない。構えているときはアウトにのっているが、踏み切る直前に少し中立に戻ってしまう。グッとアウトエッジにのって跳べるルッツがないから、試合に入れていないのかもしれない。

羽生選手の場合は、足首の状態もあるのだろう。彼は決してそれを言い訳にしないが、フリーでのサルコウでのあのコケ方は…

それぞれの事情はあるにせよ、今回の男子シングル、上位選手のジャンプ構成を見ると偏りがやはり気になる。もちろん選手の立場に立てば、今のように回転数で順位が決まるとなれば、基礎点のより高い、自分にとって得意なジャンプを多く入れるようになるのは自然なことだ。

以前にもあった提案で、結局は通らなかったが、3回転以上の6種類のジャンプをすべて入れて回り切った選手にはボーナスポイントを出すというのはどうだろう。それも高いボーナスポイント、4回転1回分に匹敵するような点を。

ジャンプのバランスの良さは高難度ジャンプに匹敵する、もしくは凌駕するくらいの価値があると、Mizumizuは思う。また、こうしたボーナスポイントがあれば、複数の4回転がなくても、別の要素や舞踏的な表現力に優れた選手がより闘いやすくなり、ジャンプ大会と化していくのをある程度抑制できるのではないか。

五輪で上位にくる選手は決してジャンプだけではない。というか、「滑る」技術が優れているからこそ、スムーズにジャンプが跳べるのだ。とはいえ、フリーを見ると、選手はたくさんのジャンプを跳ぶことに体力を取られ、それ以外の表現を抑制せざるを得なくなる。表現という意味での面白さ、フィギュアの醍醐味は、今回は各選手とも、むしろショートプログラムのほうがフリーに勝っていたかもしれない。





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最終更新日  2022.02.10 22:56:55



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