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カテゴリ:手塚治虫
手塚治虫著『ぼくはマンガ家』によれば、彼は「誇大妄想的突発性錯乱症」なのだそうだ。 それが事実であるということを、 【中古】ブラック・ジャック創作秘話(2)-手塚治虫の仕事場から- / 吉本浩二 これはホントに面白い。手塚漫画より手塚治虫のが面白いんじゃないかと思えるくらい、面白い。手塚治虫ファンじゃなくても面白い。まだ読んでない不幸な人は、すぐに読むべき。 さまざまある手塚先生「錯乱の場」での中でも、もっとも意味不明で、Mizumizuイチオシのシーンは、これ。 制作進行担当社員の河井氏に、「もう待てない」と言われて突発性錯乱症スイッチが入る手塚先生。社長なのに、「やめます!」と叫んで、机の下に逃げ込む。しかも頭だけ。 行動が猫。 ちなみに、この河井氏が(旧)虫プロを辞めたあとのエピソードは、手塚治虫がどれほど思いやりのある人間だったかを端的に示す例。そして、その厚意に応えて、河井氏が手塚未亡人のために取った行動も、素晴らしい。それについてはまた次のエントリーで。 誇大妄想入った突発性錯乱の場は、こちら。 冷静になったときの手塚先生の弁は、「編集の方から野放しにされたら、半分の作品も生まれなかったですよ」。 で、「自由にしてくれ」と言われて、「分かりました!」と野放しにした編集者の原稿は、結局3回連続で間に合わず、その後その編集者が会社を辞めたと聞いて… 自分のせいだと思ったとたん、怒涛の責任転嫁… 言うことやることメチャクチャだ(苦笑)。 ちなみに、なのだが、『神様の伴走者:手塚番1+2』に、その編集者とおぼしき人物のインタビューがあり、本人は「自分が会社を辞めたのは手塚さんのせいではない」と話している。もともとやりたかったことが別にあったからだそうで、本人は手塚治虫含めて周囲の人たちが「手塚番をしながら3回も連続で原稿を落としてしまったので、会社を辞めたんだ」と思っていたことも知らなかった。 お次は、のちに松本零士となる松本晟少年の証言から。 このシーンには、夜中の「メロン」「ケーキ」「スイカ」などのバリエーションあり。テレビのドラマでも採り上げられて、かなり有名になっているエピソード。 さらに… 完全に少しイカれたおっさん… 手塚治虫「正史」とも言える『手塚治虫物語』では… 誇大妄想的突発性錯乱症のコの字もモの字もサの字もなく、仕事にひたすら邁進する手塚像が描かれ… 藤子不二雄Aの『まんが道』で、神になったというのに… 『ブラック・ジャック創作秘話』では… と、言われて編集者が慌てて手塚先生愛用のユニの2Bを買ってくると… こんな人だとバラされましたとさ。 いずれは歴史上の人物として、その一生が映像化もされるであろう偉人・手塚治虫。 その際は「正史」に描かれた軌跡だけでなく、こういうぶっ飛びエピソードも入れてほしい。 うしおそうじの『手塚治虫とボク』にも、若き日の手塚のぶっ飛びエピソード「手塚治虫の遺言」編もある。 このブログでは敢えて紹介しなかったのだが、手塚という人が、スイッチ入ったらいかに「やめられない止まらない」人だったか分かるエピソードだ。ああいった秘話(?)も、漏れなく入れてほしいもの。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2024.04.29 11:57:44
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