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カテゴリ:ウォーターライフシステム
こんばんは、夜も蒸し暑いですねぇ・・・
街灯に反応してるのか、都会では夜中でもセミが鳴いています。 さて、骨折のため、中断していたアメリカの報告ですが、いよいよ最終回です。 ラスベガスという、世界でも有数の歓楽街に宿泊しながら、昼夜兼行の作業で、ネバダ大学の実験農場に、我がウォーター・ライフ・システムを設置しました。 ネバダ州は砂漠化が進み、湿度はなんと5%、気温は40度を軽く超え、強風がビュービュー吹き荒れているような環境です。 初日・・・給水量は35リッター セラミックを中心に、半径15センチ程度の保水エリア(水を含んだ土の部分)が出来上がるので、セッティング直後は、結構水が使われるのです。 2日目・・・給水量は39リッター 「まだ、安定しないようですね。」 「いやいや、こんなもんじゃない?」 3日目・・・給水量39リッター 「どこか、接続部から水が漏れているんじゃないか?」 「植物も活着していないでしょうし、ちょっと、給水量が多すぎますよね。」 4日目・・・給水量38リッター 「接続ミスかなぁ・・・きちっとやったはずだが・・・」 土の表面は渇いています。 しかし、ちょっと掘ると土が湿っています。 もしかしたら、水分が大気中に蒸散しているかもしれません。 当初、どうせ実験をするなら、水をあまり必要としない樹木よりも、水をたくさん使うトマトでも栽培できることを実証したくて、砂漠でも野菜が栽培できるほど、水分管理が行き渡ったシステムを設計していきました。 砂漠でトマト栽培・・・ 学会で報告するにも、インパクトがあります。 それが、裏目に出てしまったようです。 モックオレンジやハニーサックルには十分すぎるほどの給水量。 さらに、予想よりきめの細かい、毛細管現象の強い土。 3本あるラインの2本を止めることにしました。 「これで、給水量は1/3になりますよ。」 5日目・・・給水量16リッター 6日目・・・給水量12リッター ちょうど、1/3になりました。 しかし、樹木が1日に10リッター以上も水を使うでしょうか? 私らの予想では、せいぜい500CC、成長期でも1リッター程度と考えています。 私ら日本人技術者や学者の疑問をよそに、ネバダ大学の教授らはおおはしゃぎ。 この砂漠で、約10リッターの給水でOKなんて、グレートだそうです。 アメリカの常識では、毎日、100リッターは使うようです。 それが、7日目・・・給水量1リッターに 「おい、システムが詰まってるんじゃないのか?」 ネバダ大学の教授が、心配そうに聞いてきます。 8日目・・・給水量130CC 「システムが故障してるんじゃないか?」 「ノー・プロブレム・ザッツ・オーライト♪」 ついに本領を発揮し始めました。 「リアリィ?(マジ)?」 翌日以降、天候に左右されますが、晴天で1~2リッター。 曇りで500CC程度に落ち着いてきました。 湿度5%という砂漠の仲で、1坪1日1リッターの水で、植物が育つのです。 さらに、植物の活着と共に、微妙なデータの上昇も確認されています。 実験は大成功です。 さらにさらに、植物が水を欲しがる時間帯や環境、水を排出するような細かいことまでわかってきました。 詳しくは、学会の発表などがあるので、ここでは言えませんが、つまり、水というファクターを通して、植物と会話するというか、植物の気持ちが分かるようなデータが出ています。 植物に感情は無いでしょう。 しかし、植物が水を欲しがるとき、喜んで成長しているとき、花を咲かせたいとき、苦しんでいるとき、自分を守ろうと下葉を落とすときなど、植物がどうしたいのか? どうして欲しいのか? そういうことが、人間に理解できるようになってきました。 私には、植物と会話しているように思えてなりません。 世界初の試みです。 21世紀まで、人間は人間の都合で植物を育ててきました。 それが、今後は、植物の意見も取り入れ、人間と植物が協調する時代がやってくるのです。 「どうだい、気温は?」 「どうだい、湿度は?」 「土は、合ってるかい?」 その問いに、植物は応えてくれるのです。 「順調に、活着できましたよ。」 「そろそろ、花を咲かせたいんです。」 「休眠します、休ませて下さい。」 こういう、植物のサインもわかるのです。 植物と会話する・・・ こんなこと、世界中の誰が本気にするでしょうか? これには、日米の学者もびっくりです。 人と植物の新時代がやって来そうです。 ワクワクしますね。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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