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カテゴリ:政治・経済
こんばんは、ついに、円が、戦後初の高値になりました。
地球上で、もっとも信頼されている国、もっとも価値の高い国、最も優れた国としての、評価が下ったんです。 核兵器も持たず、世界最強の軍備も無く、国連の常任理事国にもなれない日本が、世界の頂点に立ったわけです。 それは、それで、ありがたいことですが、 輸出でなりわっている日本としては、困った問題になるのです。 もし、日本が農業や漁業など一次産業で、国内にお金を回している経済なら、この円高は、空前の勝利、喜びでしょう。 世界のどの国の通貨より、円が最高と認められたわけです。 ドルが¥105くらいの時に比べ、¥75。 3割も、価値が上昇しました。 仮に、アメ車が1000万円だったとしたら、700万に価値が下がったわけです。 ¥1000のステーキなら¥700になったわけです。 ユーロに対しても、円は強くなってしまったので、500万円のベンツは、350万円になってしまったわけです。 ベンツが、レクサスやシーマよりも安くなってしまったわけです。 実際には、代理店などの価格統制があり、すぐには反映されませんが、物理的には、そういうことなんです。 円高、良いじゃないか。 そうも思えるのですが、実は日本は輸出国なので、困るんです。 ¥100で作ったものを1ドルで売っていたとすると、 今は、¥100が1,3ドルになっちゃったんです。 逆に言うと、1ドル¥100のものが、 1ドル¥75になっちゃったんです。 1ドル売れるごとに、¥25のマイナス。 これでは、輸出は成り立ちません。 この結果、国内に、値下げ要請がきます。 ¥100で作っていた物を¥75で作れ。 こうなると、中小企業は従業員に¥30万の給料を¥21に下げさせてくれ。 なんでもかんでも3割カット。 国内経済は、一気に緊縮、縮小になってしまうのです。 収入が減れば、消費が抑えられます。 消費が減れば、企業の売り上げも落ちます。 企業の売り上げが減れば、一層の経費節減になります。 経費節減の結果、収入がまたまた減ります。 国内は、こういう循環に入ってしまうのです。 海外にでれば恩恵を受ける円高も、国内では悲劇になってしまうのです。 何故、世界中の人は、円を欲しがるのでしょう? 通貨は、金やプラチナのように実際の価値はなく、ただの政府保証の銀行券(印刷物)なんです。 昔「軍票」という、日本軍が発行していた通貨がありましたが、敗戦と同時に、世界中でただの紙切れになりました。 日本の円も、国が破産したり、有事が起きれば紙切れになる可能性もあるのに、世界で一番人気なんです。 その人気の理由は、日銀が、しっかり通貨供給量(市場に出回っているお金)を管理しているからです。 ホイホイと、印刷をすれば、通貨供給量は増えるのですが、それをしないのです。 つまり、非常な希少価値を持っています。 次ぎに、日本の印刷技術。 円の紙幣は、世界一精巧で、偽札が作りにくいのです。 大量に偽札が出回るような通貨は、値下がりします。 でも、日本の紙幣のように、偽札が作りにくい紙幣は、希少価値が守られるのです。 そして、企業の技術力の高さ。 極端な話しですが、日本製の部品が無くては、車も飛行機も船も携帯電話もテレビも冷蔵庫も作れない状況が、世界にはあるのです。 政府が頼りなくても、日本人が使っているお金、というだけで、世界中の人が憧れるのです。 こうした理由で、世界中で希少価値があり、偽札の危険が少なく、技術力の高い日本人達が使っているお金「円」が、世界中で人気になってしまうのです。 この状況を打開するには、たぶん、一つしか手はないでしょう。 日銀が、特有債を10兆円くらい印刷しちゃうんです。 つまり、紙幣を大量に印刷するんです。 それを、政府が借り受け、復興や海外資産(石油やレアメタルの採掘権、金やプラチナの買い占め)に使うんです。 国内にはじゃんじゃんお金が配られ、海外では世界中の土地やエネルギーが買い占められていけば、円高の流れも変わってくるでしょう。 円安に戻れば、政府は海外資産を売却し、日銀に借金を返済すればよいのです。 しかも、売買差益(100億円で買った土地が120億円で売れれば20億円の儲け)で、赤字国債の埋め合わせも出来ます。 政府は、無駄を削減し、歳入と歳出のバランスを整え、介護や復興にお金を回すのです。 つまり内需の拡大です。 安い外貨を稼ぐよりは、世界一価値の高い「円」を稼いだ方が、我々には、魅力があるからです。 次ぎに、海外の資源やエネルギーを買い占める。 私たちは、石油や石油製品の価格の変動から解放され、安いエネルギーや資源をふんだんに使って、安くて質の高い輸出製品を開発できます。 それによって、人件費削減以外の高技術高品質が維持できます。 戦争では負けてしまった日本、経済、通貨で世界の頂点に立った今、どのように世界に対し覇権をふるうのか? 新しく、柔軟な対応が必要なのです。 世界一の通貨を武器にした政治、次の内閣に求められています。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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