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カテゴリ:政治・経済
こんばんは、今週も、ギリシャ問題、TPP問題、増税問題、放射能問題と、めまぐるしい一週間でしたね。
なんと言っても、私の周りでは、TPP問題の話題一色。 「TPP交渉に参加すべきだ。」 「いや、参加すべきではない。」 「そもそも、TPPって何?」 毎日のように、意見を求められます。 そこで、おおざっぱに、TPPについて、まとめておこうと思います。 絶対に正しいとは保証できませんが、他人から聞かれても、一つの目安にはなりますよ。 まず第一に「TPP」とは、なんでしょう? 環太平洋戦略的経済連携協定(TPP、Trans-Pacific Partnership)の略です。 太平洋を中心に、自由貿易をしようという、各国の取り決めです。 次ぎに、日本は「TPP」に参加するのでは無く、参加するに当たって、交渉に応じようというというのが、現段階です。 つまり、まだ具体的なことが決まらないうちに、アメリカやオーストラリアなどと共に日本も、交渉に参加し、TPPにおいて、リーダーシップを取っていこう、ということが、今回の狙いなんです。 いきなり、TPPに参加して、明日からTPPという話しではありません。 これは、重要なポイントであり、事実です。 基本的に、国と国の貿易では、税収確保と自国の産業保護のため、輸入や輸出には税金がかけられます。 その税金のために、せっかく安く、良いものを作って輸出したとしても、思い通りの値段では売れないことがあります。 それが、貿易の障害になることから、関税障壁などと呼ばれています。 「その壁を壊しちゃいましょう。」 それが、TPPであり、今、交渉が各国の間で進められている最中なんです。 日本は、今まで、見て見ぬ振りをしてきましたが、 韓国や台湾は、熱心にTPPを進めてきました。 そして、近年、液晶パネル、太陽光発電、リチウムイオン電池、低機能な半導体メモリーなどなど、次々と日本の得意分野を追い越しています。 「このままでは、日本製品の輸出が負けてしまう。」 しかも、時代は空前の円高。 日本が貿易を閉ざせば、「¥」はますます希少価値が生まれ、より円高へと向かいます。 貿易立国の日本は追いつめられ、TPP交渉への参加が議論されるようになってきたのです。 さてさて、では、交渉の行く末、TPPが始まるとどのようなことが、考えられるのでしょう? 基本は、優れた製品は次々と海外に輸出され、逆に劣っている製品は、海外からの猛烈な輸入に押されてしまうことです。 では、利点は? 自動車や半導体、電気製品、造船、工業用の機械、航空宇宙産業の製品、それらに伴う各部品の数々の輸出が、猛烈に伸びるでしょう。 その結果、海外移転していた工場は、国内に戻ってきたり、国内の製造業は息を吹き返し、雇用が上がり、税収も上がります。 もうひとつ、世界中から、安くておいしい食料品が輸入されるようになるので、物価が劇的に下がってしまいます。 例えば、日本のお米は、キロ=¥300~¥500ですが、海外の米はキロ=¥50~¥80です。 新潟魚沼産のコシヒカリとは比べようもないですが、他府県で作られているコシヒカリとなら、そんしょく無い味と品質です。 何故なら、カナダやカリフォルニアのお米は、日本人の指導の元、作られているからなんです。 小麦や大豆、食肉なども大幅に値下がりするでしょう。 原材料が値下がりするので、ファミレスやラーメン屋さんなども値下げします。 例えばですが、¥280の牛丼は¥80に、¥600のラーメンは¥200になってしまうかもしれません。 食費が浮いた分、教育費や娯楽費にお金が回るので、家計は大助かり。 円高の恩恵を、大いに享受できるという予想です。 反対に、欠点は? 海外から、安い農業製品が次々に輸入されてきます。 日本の農家は、その値段に対抗するべく、苦戦を強いられ、次々と廃業が予想されます。 安い米が輸入されてきても、安心や高品質というだけで、¥500でかってもらえるかどうかが問題になってきます。 食肉も、グラム=¥20~¥50の豚肉や牛肉と、グラム=¥250~¥500の国産肉との闘いになるわけです。 もともと低い、食料の自給率はさらに下がり、仮にBSE(狂牛病)や鳥インフルエンザなどが起きた場合、国内の畜産業が無くなってしまっていたら、当分、牛肉や鶏肉が食べられなくなると言う、食の安全性も問われることになります。 食品に限らず、衣料品や家電製品についても、同様なことが言えます。 自動車についても、ベンツがレクサスやフーガよりも安くなってしまったら、国産車を買うより、みんなベンツを買うようになってしまうかも知れません。 関税の撤廃により、高品質で高額なものと低品質だけど安価なものの区別がはっきりと付きそうです。 TPP・・・ まだ、交渉の段階です。 賛否両論、様々な意見が、これから出てくると思います。 ただ、私個人としては、この流れは、変えられないように思うのです。 例えば、皆さんに聞きたいのですが、ホームセンターで売っている¥500の突っ張りポールと、¥100ショップの突っ張りポール。 どちらを買い求めるでしょうか? デパートの¥2000のTシャツと、ユニOロの¥200のTシャツ、どちらを買っています? グラム=¥100のカナダ牛やオージービーフ、グラム=¥400くらいのJビーフ もう、すでに輸入の自由化は始まっていますよ。 「安い外米なんて、絶対に食べない!」 こう豪語している方でも、例えば、冷凍のピラフや炒飯は、外国産が多いのです。 さらに、激安のデリバリ-寿司や回転寿司。 あのお米は、外国で炊飯され味付けされ握られ、加工食品として日本に入ってきているのです。 当然、上に乗っかっているマグロにタコにイカに海老、全て海外産。 結構知らずに、輸入品を食べているんです。 外米も、外国産のお刺身も結構おいしいです。 非常に、おおざっぱな解釈ですが、これが「TPP」なんです。 仮に、TPPに参加しないとどうなるのか? 世界から仲間はずれにされ、報復的に日本製品に高額な関税がかけられるでしょうね。 日本も、その見返りに、輸入品に高額な関税をかけちゃうんです。 その結果、輸入品の物価も国内産なみ・・・・ 製造業や金融業界は賛成。 農業界や医療界は反対。 東京大学や早稲田大学は賛成。 京都大学や慶応大学は反対。 議論は始まったばかりです。 みなさまは、どのようにお考えでしょうか? TPP、ちょっとわからなくなったら、この記事をもう一度読み返して下さい。 少しお役に立つかも知れません。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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