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カテゴリ:世間話
こんばんは。
お騒がせして、申し分けありませんでした。 時間と共に、気持ちの整理もついてきまして、人と話せるようになって来きました。 今回のことは、説明するのが難しいのですが、簡略に言いますと、裏切られたと言いますか、自分の意図が伝わらないと言いますか、そのようなことだったんです。 私は、緑化の会社と商社・代理人の2つの仕事をやっております。 そのうち、商社・代理人の方は、人と人をつなぐ仕事になります。 工場、大学、研究所、そのようなクライアントから、ある製品や研究を成功させるため、様々な装置や道具の注文が入ります。 市販されているものは、右から左に動かすだけなので非常に楽なのですが、 それは、専門知識が無くてもできる仕事になります。 問題は、未知の領域と言いますか、試作や開発に携わる仕事なんです。 例えば金属の加工。 その金属は、堅いのか柔らかいのか? 融点は? 加工硬化(焼きが入る)は? 腐食は? 組成変化は? 熱収縮は? 耐電性は? そのような条件を調べたあげく、その金属を加工する最高の道具をそろえるわけです。 そのほとんどが、カスタム品・・・ つまり、クライアントの要求を満たすように、私が諸条件を考え、メーカーなどにオーダーをだすわけです。 今、流行の「ほこ×たて」みたいなことをやっているんです。 堅い金属に、ある理由で穴を開けなくては行けない。 物理的に機械で穴を開けるのか? 電気的に高圧電流で溶かすのか? 化学的に、腐食させながら溶かしていくのか? 生物的に、バクテリアなどを使い、溶かすのか? クライアントの要求を満たすためには、どういう方法が効率的かを提案し、穴を開けなくてはならないのです。 そのような仕事をしているのですが、できないことや失敗も何回かありました。 数年前に、ある道具の依頼を受けたのですが、うまくいかなかったものがあったんです。 例えば、図面上の形は正三角形。 正三角形といえば3辺の長さが同じで、60度の三角形です。 なのに、正三角形の道具を作ったら、うまく行かないと言う。 「もう少し、とがらせて欲しい。」 「だったら、2等辺三角形になっちゃいますけど。」 「いや、頂点の60度は必要なんだ、でも、とがらせて欲しい。」 「物理的に無理ですよ。とがらせたら58度とか、鋭角になっちゃうし、正三角形にならないじゃないですか。」 その依頼者は、根っからの職人で、神がかった腕で、微妙なものを作っちゃうんです。 「他のやつじゃ話にならないから、おまえに頼んでるんだろ。なんとかしろよ。」 「いや、無理ですよ。私が理解できなきゃ、メーカーに伝えようが無いじゃないですか。」 結局、すったもんだして、うまくいかなかったんです。 大損でした。 そして、数週間前、またその依頼が来たんです。 「オーダーをいただけるのはうれしいのですが、無理です。」 「OOちゃんがそう言うと思って、見本を作ったから、これと同じにしてくれればいいんだよ。」 「見本があれば、なんとかなるかもしれません。メーカーと交渉してみましょう。」 今回はうまく行くと思い仕事を引き受けちゃったんです。 そして、メーカーの技術者に、説明しました。 「数年前、正三角形なんだけど正三角形じゃだめで、苦労した仕事また来ちゃったんですよ。でも、今回は見本があるのでそれと同じように6セット作って欲しいのです。いかがでしょうか?」 「見本があれば大丈夫、今回は任せて下さい。」 メーカーにも納得してもらって、オーダー完了。 すべてはうまく行っていると思っておりました。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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