カテゴリ:韓国経済
2017年02月14日[ⓒ韓国経済新聞/中央日報日本語版]
小売り世界最大手の米ウォルマートが韓進海運の物流問題をきっかけに韓国の海運会社と二度と取引しない方針を定めたという。 海運業界によると、ウォルマート側は昨年末に法定管理(企業再生手続き)に入った韓進海運の米州営業チームにメールを送り、「これまでの取引に感謝している。しかし今後韓国海運会社とは取引しない計画」と明らかにした。 ウォルマートは「韓国海運会社と取引しないことにしたのは韓進海運のためではなく韓国政府を信頼できないため」と伝えた。 ウォルマートは韓進海運の突然の法定管理申請による物流の混乱で被害を受けた。ウォルマートは1990年代から20年以上にわたり韓進海運と取引してきた。 ウォルマートの年間海運物流量の1割ほどを韓進海運が担当した。 多い場合は年間コンテナボックス3万本分のウォルマートの製品を韓進海運が輸送した。 運賃では3000万ドル(約35億円)規模となる。 ウォルマートは今年からこの物量を中国など他国の海運会社に回したことが分かった。 海運業界の関係者は「政府による韓進海運の法定管理処分で韓国海運会社の信頼度が落ちたという証拠」とし「ウォルマートのような荷主は一つや二つでないはず」と話した。 この関係者は「韓国海運産業全体が破産しないためには政府レベルの信頼回復措置が至急だ」と強調した。(引用ここまで) 前回の投稿でも書きましたが、破綻後の処理が酷すぎましたね。 この場合、韓国政府が港湾利用料を負担してでも、漂流貨物が届くよう手配すべきでした。 当たり前のことですが、「信用」というものは金では買えませんし、 失われた信用を取り戻すのは簡単ではありません。 これは、韓進海運1社の話ではなく、韓国企業全体が信用できないとの話になる可能性もあります。 少なくとも経営再建中の現代商船には、大打撃になると思われます。 以下は、「日本海事新聞」からの引用です。 2017.2.14日本海事新聞 現代商船/16年営業赤字が拡大。負債比率改善、「BB」に格上げ 現代商船が13日までに発表した2016年12月期決算は、営業損益が8334億ウォンの赤字(前の期は2793億ウォンの赤字)だった。 世界的なコンテナ市況低迷が直撃し、赤字幅が拡大した。 一方、同社は財務再建を進め、格付け機関KISによる評価はD(債務不履行)からBB(安定)に改善した。 売上高は4兆5848億ウォンで前の期比19%減、純損益は44億ウォンの赤字(6270億ウォンの赤字)だった。 政策支援を受け、負債比率は15年の2007%から235%にまで改善を果たした。 KISの同社格付けはDからBBに変更された。(引用ここまで) 「現代商船」が崖っぷちであることには変わりがありません。 従来の薄利多売では利益は出ませんし、安かろう悪かろうで新規顧客がつくほど甘い世界ではないと思います。 現代商船も破綻した場合、また多くの貨物が海を漂流するのか、韓進海運破綻時の二の舞になるのではないか。 荷主にそういう懸念材料がある限り、韓国以外の荷主は、積極的に現代商船を利用することはないと思われます。 もっとも韓国企業は、韓進海運亡き後、利用できる海運会社が限られますので、否応なしに現代商船を利用することになるのでしょう。 前回貼りつけた表(下記)では、現代商船の5分の1の規模でKMTC(高麗海運)という海運会社があるようですが、規模的に韓進海運や現代商船の代わりが務まるとは思えませんし。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2017年02月14日 21時00分05秒
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