カテゴリ:米韓関係
2017.3.7 ロイター
[ソウル 7日 ロイター] - 米太平洋軍は7日、韓国への最新鋭地上配備型迎撃システム「高高度防衛ミサイル(THAAD)」の配備を開始したと発表した。 韓国の聯合ニュースによれば、2カ月間で配備を完了し、早ければ4月にも稼働を開始する見通し。 THAADを組み立てる最初のパーツはすでに韓国に搬入済みという。 声明によると、THAADは北朝鮮が続ける核実験や弾道ミサイル発射への対抗措置として展開される。 米太平洋軍のハリス司令官は声明で、6日に行われた複数のミサイル発射を含む北朝鮮による挑発行為は、韓国へのTHAAD配備に関する昨年の決定が賢明であることを裏付けていると指摘した。 聯合ニュースによると、THAADの配備は1─2カ月で完了する見込み。 (引用ここまで) 韓国へのTHAAD設置については、中国が抗議しており、韓国企業に対して経済制裁を行っています。 中国のTHAADに対する抵抗の理由を詳しく説明したコラムを見つけたので、ここで紹介します。 「防衛駐在官の見た中国(その30) -THAADの韓国配備-」 2017.7.13 海上自衛隊幹部学校 中国がこれほどまでにTHAADに拘る理由 それでは、なぜ中国が地域の戦略バランスを損なうとしてこれほどまでにTHAAD配備に反対しているのだろうか。 その理由は、THAADの一部を構成する早期警戒レーダーに起因していると思われる。 それが下図によれば、報道されているレーダーの探知範囲(600〜800km程度)が中国大陸の沿岸部に及んでいることにあるのだろう。 つまり、中国は、中国自身が自国の防衛のために自国の沿岸部に配備している弾道ミサイル等の発射、飛翔がTHAADのレーダーに探知されることを懸念しているということなのかもしれない。 (引用ここまで) 上の画像は、上記コラムの引用元であるハンギョレ新聞から転載しました。 中国が懸念しているのは、THAADミサイルそのものより、ミサイルに付随する「早期警戒レーダー」にあるようです。 韓国の一部に「THAAD設置の対価として韓米通貨スワップを要求するべきだ」という意見があるようです。 韓国に「米ドル通貨スワップ」が不足しており、「米ドル通貨スワップ」を締結してくれる可能性がある国は、アメリカか日本しかない状況で、優しいやさしい日本は、韓国が自ら打ち切った通貨スワップにも関わらず、昨年8月に再度の交渉を開始しました。 そのへんの背景は、2017.2.7投稿の「 日韓スワップについて、麻生副総理兼財務大臣兼内閣府特命担当大臣閣議後記者会見」 に書きましたが、韓国は自ら「天から延びた蜘蛛の糸」を断ち切っているわけです。 では、米韓スワップはどうなのかというと、こちらの可能性は非常に低いです。 その辺の事情は、『日経ビジネス2015.3.5 鈴置高史氏のコラム「人民元圏で生きる決意」を固めた韓国』に詳しく書いてありますが、会員専用記事のためここでは引用を差し控えます。 一言で書くと「韓国はアメリカを怒らせた」です。 ということで、米韓通貨スワップの可能性もなし。 「THAAD配置」は「駐韓米軍撤退」延期の対価と考えていいと思います。 「THAAD配置拒否なら駐韓米軍撤退」 韓国政府も駐韓米軍撤退は困るので、中国の報復を覚悟しながらも、THAAD配置を受け入れたのだろうと推測します。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2017年03月09日 21時28分48秒
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