カテゴリ:日本経済
2017.3.18 朝日新聞DIGITAL
日本銀行が17日発表した資金循環統計によると、日銀の保有国債は昨年末時点で前年比27.0%増の421兆円(時価ベース)で、発行残高全体の39.1%を占めた。 大規模緩和前の2012年末と比べると、日銀の保有額は3.6倍で、今年中に500兆円を超す可能性がある。 (引用ここまで) いつもの煽動屋さん達の記事の引用です。 このブログの2月11日の投稿「国の借金1066兆円=1人当たり840万円―16年末(時事通信)」では、「国の借金1000兆円というのを紹介しました。」 今度は、「日銀の国債保有が増えまくってますよ!」という記事で、先行き不安を煽るような記事とグラフです。 「国の借金」の半分近くを国の機関が保有していて何か問題でも? と正直思うわけですが、少なくとも外国に借金しているわけでもないし…と。 で、不安になって居ても立ってもいられなくなってしまった私は、日銀の決算状況とか見てしまったわけです。 「第131回事業年度(平成27年度)決算等について」(日本銀行) (1)資産・負債の状況 平成27年度末における資産・負債の状況をみると、総資産残高は、国債を中心に前年度末と比べ82兆544億円増加(+25.4%)し、405兆6,481億円となった。 また、総負債残高は、預金(当座預金)を中心に前年度末と比べ82兆4,001億円増加(+25.8%)し、402兆984億円となった。 こうした日本銀行の資産・負債の変化を詳しくみると以下のとおりである。 まず、資産の部をみると、国債が、「量的・質的金融緩和」及び「マイナス金利付き量的・質的金融緩和」のもとで買入れが進んだことから、349兆1,955億円と前年度末を79兆4,034億円上回った(+29.4%)。 また、貸出金は、「貸出支援基金」による貸付けが増加した一方、共通担保資金供給オペが減少したこと等から、34兆453億円と概ね前年度並みの水準となった。 なお、「貸出支援基金」による貸付金の残高は、31兆4,078億円となった。 次に、負債の部をみると、当座預金が、国債の買入れ等を通じた資金供給により、275兆4,394億円と前年度末を73兆8,830億円上回った(+36.7%)。 この間、日本銀行券の発行残高は、95兆5,947億円と前年度末を5兆9,215億円上回った(+6.6%)。 (2)損益の状況 平成27年度の損益の状況についてみると、経常利益は、前年度比9,510億円減益の7,626億円となった。 これは、経常収入が増収となった一方で、為替円高に伴い外国為替関係損益が損超に転化したこと等によるものである。 特別損益は、「マイナス金利付き量的・質的金融緩和」の実施に伴って生じ得る収益の振幅を平準化する観点から、債券取引損失引当金の積立てを行ったほか、外国為替関係損益が損超となったことを受け、外国為替等取引損失引当金の取崩しを行ったこと等から、▲2,454億円となった。 以上の結果、税引前当期剰余金は、前年度比8,342億円減少の5,171億円となり、法人税、住民税及び事業税を差し引いた後の当期剰余金は、前年度比5,979億円減少の4,110億円となった。 (3)剰余金処分の状況 剰余金の処分については、日本銀行法第53条第1項に基づき、法定準備金を205億円(当期剰余金の5%)積み立てたほか、同条第4項に基づき、財務大臣の認可を受け、配当金(500万円、払込出資金額の年5%の割合)を支払うこととし、この結果、残余の3,905億円を国庫に納付することとした。 (4)自己資本の状況 平成27年度末の自己資本比率(剰余金処分後)は、8.05%と、前年度末(8.20%)に比べ低下した。 …まあ、自己資本比率の低下とかの懸念材料がありますが、「マイナス金利」と「為替損失」が出ても、国庫に納める剰余金が出ているわけだし、不安を煽るほどでもないような気がします。 もちろん、健全か不健全かで言うと、不健全であるとしか言いようがないのですが、景気が回復するまでは仕方ないと思います。 ただ、「国の借金が多いため、日本経済は破綻寸前である」という煽りに対しては、NOと言えるのではないかと思います。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2017年03月19日 23時50分44秒
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