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2017年05月16日
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カテゴリ:韓国経済
2017年05月11日[ⓒ 中央日報日本語版]

 先月、韓国の造船所が世界で最も高い受注実績を上げていたことが分かった。

10日、英国の造船海運市況分析機関クラークソンリサーチによると、韓国は4月に計34万CGT(標準貨物船換算トン数)・12隻を受注して国別で最も高い実績を上げた。
 中国が26万CGT(13隻)で韓国の後に続いた。日本は受注を記録することができなかった。
(中略)
また、ことし1~4月の世界の累積発注量は471万CGT(179隻)で、前年同期451万CGT(179隻)と大きな差はないことが明らかになった。
 国別受注実績は中国143万CGT(78隻)、韓国123万CGT(34隻)、イタリア74万CGT(8隻)、フィンランド33万CGT(2隻)、日本25万CGT(11隻)の順となっている。
(引用ここまで)


造船重機大手4社が営業減益 造船が苦戦、円高も重荷
2017.5.9 産経ニュース

 造船重機大手5社の平成29年3月期連結決算が9日、出そろった。
 造船事業が苦戦したほか円高が重荷となり、本業のもうけを示す営業利益は4社が減益、売上高は全社が減収となった。

 最大手の三菱重工業は、円高のほか、造船事業で液化天然ガス(LNG)船のコストがかさんだ。
 1月下旬に5度目の納入延期を発表したジェット旅客機「三菱リージョナルジェット(MRJ)」の開発費増加や、民間航空機向け部材の需要減も収益を悪化させた。
 このため28年3月期に545億円の黒字だった「交通・輸送部門」は519億円の赤字に転落した。

 川崎重工業は、造船を中心とする「海洋船舶部門」の営業損失が79億円から214億円に拡大。円高も約300億円の減益要因となった。
 IHIは5社の中で唯一、増益を確保した。
(引用ここまで)


 一見、日本の造船業が不調であるのに対し韓国造船業が好調で、日韓の造船業で明暗分かれたように見えますが、ご存じの通りそういうわけではありません。

韓国造船業、17年ぶりに日本に再逆転された
2017.1.4 ハンギョレ

韓国造船産業受注残高 
1999年以後初めて日本に抜かれ 
政府の造船・海運産業政策の失敗も 
韓国造船業の墜落に一役

 急激な“受注絶壁”で数年来危機を持ちこたえてきた韓国造船業が、ついに受注残高で日本に抜かれる状況に至った。
 1999年末に日本を抜いて世界首位に上がって以来、17年ぶりに“造船韓国”の地位が揺らぐのではという憂慮があらわれた。

 4日、英国の造船・海運市況専門機関のクラークソンによれば、昨年末基準で現代重工業・大宇造船海洋・サムスン重工業など韓国造船企業の受注残高(暫定値)は1989万CGT(標準貨物船に換算したトン数、473隻)、日本は2006万4千CGT(835隻)とそれぞれ集計された。
 日本が韓国を17万CGTほど上回る結果だ。受注残高とは、当該時点で造船所のドック(船舶建造台)に残っている船舶建造受注の備蓄量を意味する。

 ただし、年間受注量では未だ韓国が日本を上回っている。
 昨年、韓国造船業の新規受注量は157万2千CGTで、中国(351万3千CGT)には遅れをとったが、日本(111万5千CGT)に対しては上回った。
(中略)
 昨年、韓国の造船企業の場合、建造を終えて船主に引き渡した船舶が圧倒的に多かったという点も、韓国と日本の“再逆転”の背景として作用した。
 たな受注で満たせない状況で、昨年ドックから出た船舶は韓国が1140万6千CGTである反面、日本は670万4千CGTであった。


(引用ここまで)


 産経新聞の記事では書いていないのですが、日本の造船業で建造量が最大なのは、「今治造船株式会社」です。
 この会社は、非上場企業であり、造船専業会社であるため、産経新聞の記事にあるような重工大手とは位置づけが異なり、単純な比較ができない状況です。
 今治造船は、国内の建造量の30%以上を占め、且つ世界シェアの6%以上を占める、世界第2位の造船会社です。
 ちなみに世界首位は現在重工業で、3位は大宇造船海洋ですが、大宇造船海洋は、現在解体中であり、まもなく消滅すると思われます。

 ということで、全体として日韓の造船業はともに厳しい状況ではありますが、非上場の今治造船が健在である限りは、日本の造船業全体が沈没する可能性は低いと思われます。

 日本の造船業は早々に構造改革に着手しており、

三菱重や川重、造船事業の構造改革策を発表
2017.3.31 日本経済新聞

 三菱重工業と川崎重工業が31日、造船事業の構造改革策を相次いで発表した。
 三菱重工は造船大手の今治造船や名村造船所と商船事業の提携で基本合意したと発表。
 川重は国内工場を集約し、商船の建造の軸足を中国に移すと発表した。
 世界的に新造船の需要が振るわないなかで事業を見直したり、他社との連携を模索したりすることで、競争力を維持する。

 三菱重工は今治造船、名村造船所の2社と商船事業分野での提携で基本合意した。
 「それぞれの独立性を尊重しながら、相互補完やシナジーを追求する」としており、新技術の開発や生産面で連携していく。
 大島造船所(長崎県西海市)とも同様の基本合意に向けて継続協議中という。

 川重は船舶海洋部門の事業構造を抜本的に見直すと発表した。
 「商船建造の軸足を国内から中国にシフトする」という。
 これまで神戸工場(神戸市)と坂出工場(香川県坂出市)で手掛けてきた国内商船建造を坂出工場に集約し、事業規模を約3割縮小する。
(引用ここまで)


 上記の記事にもある通り、提携及び移転等で当面の危機を乗り切っていくことになります。
 日中韓の造船業の過当競争は、もうしばらく続きますが、数年のうちに勝組と負組とに分かれることになるでしょう。





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最終更新日  2017年05月16日 21時00分04秒
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