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カテゴリ:食べ物
物憂げな空気の中、白い朝に目覚めた。 塗り重ねたられた白い壁にあたった朝の空気が乾いている。 白いベット脇のレースのカーテンが揺れていた。 昨夜の記憶が途切れ途切れに甦っている。 裸のまま白いシーツに包まり、降り注ぐような朝日を浴びていた。 明るい部屋の中、七時には自動的に流れるショパンが静かな旋律を奏でていた。 香織は「もう七時かぁ~」と大きく背伸びした。 「うぅぅ~今日は休みかぁ~朝ご飯は何にしよっかなぁ~?美智子に連絡しよっかなぁ~?」高校時代からの親友。 シーツに包まったまま、素足で木彫フローリングの床を歩いて冷蔵庫からミックスベジタブルジュースを取り出した香織は、お気に入りのバカラに半分ほど注いだ。 そして、これまた白い木枠の窓辺に片手を置いて、外を眩しそうに眺めながら飲んでいた。 街の喧騒は香織の47階までは届かない。 「やっぱり美智子へは連絡しない。あいつ最近、彼氏にのぼせているし!」今日は一日、家の中に居よう~と、ささやかな決意にも似た意識が駆け巡っていた。 家の中にいても、何かをするのではなく、どうして居ようかを考えていた。 白く眩しく輝く窓辺には黄色のガーベラが一層、存在感を示していた。 下着を付けながらふと、悠太郎の事を思った「あいつ、今日は仕事だったよね。どうしてるかなぁ~?」思いがけず悠太郎を思い出した事にフフフッと微笑んだ。 「そうだ、お母さんに教えて貰ったマドレーヌを作ってみようかな?美味くできたら、あいつの職場に持って行こう。驚くだろうなぁ~!フフッ悠太郎の彼女が来たって大騒ぎになるだろうなぁ~?」着替えた香織は母から電話で聞いたメモを探しながら早速、必要な材料や支度を始めたのだった。 「どれどれ?バターは湯銭して溶かして置く?卵を5個?そんなに!小麦粉を篩いに掛けて溶かしたバターに入れて、お砂糖や溶き卵と一緒にねばりが出るまで木ベラで混ぜる。あまり混ぜ過ぎないようザックリ!ドライフルーツは適量に、か!バニラエッセンスとオレンジキュラソーも適量ね。どうせならクルミも入れるとワンポイントになる~か!」焼き上げ上出来だった事に気を良くした香織は、早速一つ口に頬張った。「ふむふむ~美味しいじゃん。やはりお母さんの娘だなぁ~!お菓子づくりは巧いかも?」とほくそ笑んでいた。 と言う訳で今日はいつもと違う書き出しにしてみました。今日の起床は5時52分。ちょいと遅めの起床でした。今朝も昨日と続いて20センチほど積もっておりましたよ。当然雪トロケに追われる事になりました。今日は読み聞かせの定期土曜日ですが行きません。吹雪いているのです。こんな日は子供達も図書館までは来ない~と踏んだのです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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