未知之国・夢紀行３

今朝の起床は午前０時４２分でした。アラームは１時にセットしたのですが、釣りに行くってぇと早く目覚めるのが常なのである。しかし、そうは問屋は卸してくれない。いつもなら握ってあるはずの握り飯が無いのである。そういえば昨日の朝、夜にご飯を炊いて貴方が食べたい分だけ握っておけば？なんて言ってたのを思い出した。慌てて握り飯４個を自らむすんだ。塩マスを二つに明太子を二つの計４個である。私は海苔派なので海苔を巻いてラップに２個づつ包み、それらをハンカチでさらに。完璧に朝と昼の携帯食となった。


東田沢漁港

いざ出陣。１時１５分の出発である。深夜の交通量は流石に少ない。新聞配達のある時間帯はルールをしっかり守らないと危ない。でもこの深夜だと皆さんギンギンに飛ばしている。勿論、乗用車よりトラックが多い。ただ、青森空港付近まで来たら乳白色のガスで前が見えない。ライトをハイにすると余計見えなくなる。この季節、ままある現象である。

夏泊半島には３時ころ着いた。狙い目の茂浦漁港は車から降りられないほどの強風。「こりゃ、あかんわ」竿を出す前から釣りは出来ない状況～と直感した。止むを得ず、稲生漁港に変更した。ここでも昔々の話だが、イシガレイの３０センチクラスを上げた実績がある漁港だ。車で１０分程度。狙いの３時３０分の竿出しに何とか間に合ったのである。

車から降りて荷物を出そうとしたら小雨。風はそんなでもない。何とか竿を出せそうだ。安堵感に満たされた。真っ暗闇の中、懐中電灯を足元に照らしながら、防波堤の先端部分の下見に出掛ける。すると先端部分にチラチラ、ヘッドライトとおぼしき光。近づくにつれ、先行者が竿を出している最中であった。

あっちゃ～場所が取れるか心配になる。カレイ釣りは竿を沢山出すのが通例というか常識である。「どうです？釣れましたかぁ？」の問いに「今来たばっかですよ、そちらさんは何狙いですか？」「私はカレイです」「私もカレイですが、トゲクリもやってます」カニ狙いとカレイ？組み合わせが微妙だが、何とか私も竿を出せるスペースがありそうなので、すぐさま車に戻って道具を袈裟懸けに肩から下げて再度、先端部分に向かい竿を出した。

第一投目、すぐさま２０センチほどのカジカが掛かる。「おっ、一投目からお魚さんでしたなぁ～」よしよし、幸先がえぇどぉ～と思った瞬間。風で体が飛ばされそうになった。荷物は？一瞬ヒヤッとしたが何とか無事。しかし、ドンドン風が強まる。竿先が風にあおられアタリがわかりづらい。困ったなぁ～と思ったら、隣のおっさんにカレイが釣れた。「このカレイは何ですかねぇ？」と私に尋ねている。近寄ってみると手の平大のマコガレイである。型は小さ目だけど、刺身が取れそうなほど身が厚い。

私も頑張って釣らねば～の思いとは裏腹に風が強まる。おまけにリールが故障。予備のリールと交換。シチモチしてらいね。（津軽弁：シチモチしてらいね＝マゴマゴしてはいられない）竿も穂先の堅い竿と交換する。しかし、海底にはかなりの障害物。根掛かりが多い。その度に仕掛けも交換しなくちゃいけない。そんな中とうとう夜が明けてしまった。気が付いたら６時になっていた。

色々な方向へ探り釣りをするが、中々明確なアタリが来ないまま、潮止まりになってしまった。チャンスは後２時間しかない。満潮までの前後２時間づつを狙っていた私だが半分を消化してしまった。カジカ一匹だけ。そのカジカも放流した。今回はあまりにトラブルが多過ぎ、思った通りの釣りが出来ていない。残り２時間をアタリがとれないまま、この場に留まるか、風裏の漁港を探すか戸惑っていた。

よし移動しよう！の決断が早いか撤収が早いかってほど急いで車に戻った。夏泊大島を回り、東田沢漁港に向かった。ここでは好い思いをした事がないんだよねぇ～が頭の中をグルグルしていた。ここには大きな川が流れ込んでいて、スズキ釣りにはもって来いの場所なんだけど、カレイは釣れたためしがない。投げ込んだ仕掛けにエサはそのままで付いてくる。あれれ？エサが冷たい。ユキシロ（雪解け水）が流れ込んでいる。これじゃあかんわ。７時半に納竿した。で結果はゼロでした。期待した皆さんには申し訳ない。

家に戻った私は、１０時には洗濯を始めていた。洗濯を庭に干し、洗い物を片付けて、朝風呂を楽しんだ。冷えた身体を温めたのである。するとどうでしょう！上がって、まだすっぽんぽんなのに、屋根を叩く雨音。待ってくれ～と下着も付けずにジーパンにヨットパーカーを着込んで庭の洗濯物を回収したのでした。とっつばれ！