OP日記32『足利銀行の一時国有化』
足利銀行の一時国有化については、債務超過額が1023億円という中途半端さに疑問が残るものの、株主責任を問う形での処理というものは、好ましい判断だったといえる。じゃぁ、りそなは、債務超過じゃなかったの?という素朴な疑問も彷彿されるのだが、債務超過じゃなかったかもしれないし、もっと巨額の債務超過だったかもしれない。あくまで、債権の評価、所有不動産、担保不動産等の『評価』という、かなり会計的なテクニカルな要因が大きすぎるので、実際はどうなの?という論議は、あまり意味は無く、政治的な決断という要素が大きいのだろう。☆マーケットを気にして、株主責任を問わなかった「りそな処理」☆未だ楽観論がまかり通っている株式マーケットの中で、選挙も終わり、株価対策の為の理不尽を断行する必要の無かった状況での「あしぎん処理」「りそな処理」で、株主責任を問わなかった事に懐疑的であったMTFGの三木さんの感覚からすれば、面倒見切れないという現実と、これ以上の深入りは禁物、国に任せた方が得策、という計算があったのだろう。今回の事は、あしぎん特有の問題、と限定的に解釈したがる向きが多い。しかし、はっきり言って、地方経済全体の問題であり、かつ、・政府全体の「隠れ借金」・それに伴う国民財産(郵貯、年金を含めた)の「実質的な含み損」・うやむやにされた「繰り延べ資産問題」を考慮に入れると、地方経済だけの問題にとどまらない。更に、東京で、小規模であってもテロが起きれば、それこそパニックになるだろう。簡単な話、東京証券取引所を爆破するか、軽飛行機で突っ込むかだけで、一時的に証券市場を麻痺させることが出来る。そんなレベルであれば、局地的な障害で済む範疇で、大地震が東京を襲うことになれば、東京一極集中の弊害が露呈する事になる。そもそも、株価も含めて東京圏中心の収益向上で「お化粧」して、中間決算を乗り切ったメガバンクにとっては、何も起こらなくとも、東京一極集中そのものがリスク要因と言える。東京一極集中が駄目だ、とか、地方に分散すべきというような、国家レベルの問題は僕には関係の無い話で、現状、サプライズな騰落があるとすれば、『下げ』の方向へのものであろう。上に行くときは、戻り売り、利食い売りが控えているが、サプライズな下げ要因の時には、投売りのオンパレードとなる。というのが、今の現状だ。少なくとも、日本株関連で「上がる事」に賭けるポジションをオーバーナイトするのは避けたい。当面の戦略各種put(日経平均、MTFG)の利食い〔2003/11/30 12:50〕