笑顔と涙の向こうに見たもの
A子さんは、「元気」を絵に描いたような人です。身体は小さいけれど、声はだれよりも大きく、ねずみのように動きが速くて、勢いでどこまでも突っ走っていってしまいます。もう若いとは決して言えないあなたの、どこからそんなパワーが生まれているのでしょう。はじめて会ったときから、昔からの友達のような感じで、接してくれましたね。だれにも負けないその笑顔は、一緒にいるといつも、暖かい気分になります。何人かのグループのリーダーだったあなたが、小さい営業所ながらも、所長になったのは1年半くらい前でしたね。最初に、本部長から「あなたを所長にしようと思っている。」と聞いたとき、正直驚きました。「いきなりは、早いかな。」って感じです。実は、社長も私も、あなたを所長にすることで、逆にあなたを潰してしまうことになりはしないかと、心配でした。でも、本部長の「私が責任を持ちます。」の一言で、結局、社長は了承されました。そこからですよね。あなたが様々な大きな試練を経験するのは。がんばっても、がんばっても、予算を達成しないどころか、売上も、お客さまの数も減少傾向の毎月。いくらあなたが熱く語っても反応が鈍いメンバー、それどころか、熱く語れば語るほど、あなたとメンバーとの‘こころ’の距離は開いていきましたね。そんな中で、せっかく入社してくれた新人さんたちが続けて辞めていく。そう、勢いで突っ走っていたあなたが、ふと振り向くと、後ろにはだれもいなかった。それに気がついたとき、あなたは愕然としましたよね。所長になって、それまで経験したことのない孤独があなたを苦しめましたよね。「コミュニケーション」私がよく言う言葉です。しかし、口で言うのは簡単だけれども、現場では、思いを分かち合うための「人間対人間との格闘」があることをよく分かっています。それは、「‘こころ’と‘こころ’の格闘」と言い換えてもよいでしょう。あなたは、よく闘いましたね。毎月の会議では、社長や私から厳しい質問や指導を受けましたよね(でも、これは大善のための厳しさだということを、あなたはよく理解してますよね)。あるとき、あなたは自分が事業報告している中で、思いが込み上げて、いく筋もの流れてくる涙を止めることができませんでしたね。私も過去、似たような経験があります。悔しさ、不甲斐なさ、でも負けないぞという様々な思いが交差して、言葉では説明できない感情ですよね。普段、明るく、元気いっぱいの笑顔のあなたが見せたその涙。その溢れる涙から、あなたは一体なにを見たのでしょうか。「そこから、あなたはなにを発見しましたか。」自分に鞭を叩いて「元気さ」を出していたあなたが、自分が感じている苦しさ、悲しさを表に出してから、営業所の雰囲気はよくなりましたね。業績も上がって、もう少しで、営業所を立ち上げたときのよかった数字に戻りますね。何よりも、あなたの‘こころ’からの笑顔が見られることが、私にはとっても嬉しいです。でも、まだ闘いは続きます。仕事をしている限り、この闘いは永遠に続いていくのです。だからこそ、同じ目的を持った仲間、‘こころ’を寄せ合って、笑顔いっぱいで歩んでいきましょう。「’こころ’を元気にするマネジメント」よりまぐまぐにて月2回発行中!私が今月より書いているメルマガです。皆さんの登録をお願いします。登録は右上のBOOKMARKS「’こころ’を元気にするマネジメント」よりお願いします。http://www.mag2.com/m/0000145253.htm