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カテゴリ:文学
若い時に読んだのだが、なんだかすっかり忘れてて、
初めて読むような気持ちで読んだ。 やっぱり安吾はいいな。あたたかい気持ちになった。 あたたかくて優しくて大きい。 >偉大な破壊、その驚くべき愛情 戦争をこのように表現した人はいないのではないか。 >堕ちよ、生きよ! 戦後、我々は堕ちきれたのだろうか。 そして、そこから何がしかの光を見つけることができてるのだろうか。 偉大な破壊の愛情に包まれた経験のないものにとって、 果てしなく続くこの不安が平和や幸福でできていることを実感しつつ、 その愛情に淡い憧れを感じずにはいられませんでした。 偉大な破壊のもとで人々は美しい、と安吾はいう。 でもそれは人間の本来の姿ではないという。 でもそうだろうか。 平和のもとで人が醜く争い、厳しい現実の時に人々が美しいのは、 生命体独特のバランス感覚によるものなのだろうと私は思ったが、 どちらが本来の姿ということもないような気がする。 善と悪、光と闇、明と暗、 戦争と平和、醜と美。 振り子が醜悪に振れればふれるほど、その勢いで美へと向かう。 振り子が振れなければ、醜悪も美も存在しない。 やっぱり生まれたからには究極の美が見たい。 >偉大な破壊、その驚くべき愛情。 嗚呼! どうしてそれに憧れずにいられるだろう!! お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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