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昨日タバコの封を開けて、ふっと思い出した。
普通、タバコの封というのは真ん中にフセンが貼ってあって、 その右か左の半分の部分の紙を切り取る。 だが私の友人はそのフセンそのものを切ってしまい、 タバコの上の部分を全開にしてしまう。 これではカバンに入れたりすると中身が出てしまいそうなので、普通はしないと思う。 私「なに?その開け方は!」 友人「ひかるこそ、そんなちまちま開けやがって。今はこれが流行りだよ。」 私「どこで、誰に流行ってるんだよ。」 なんて会話を思い出した。二十歳そこそこの頃の話だ。 その友人は一昨年、自殺した。 お葬式に行ったとき、私はこれといった感情は何も起こらなかった。 悲しくもないし、感傷的なものもないし、失望感も、無念さもなかった。 まぁ、あいつはこの世で行きにくい人だったんだよね。 しかし、よく自殺なんてこと思いついたもんだ。 そこまで思い至るにはいろいろあったんだろうな。 というような感想しかなかった。 要は実感がわかなかった、というだけかもしれない。 昨日は何故かそのタバコの封で急にその友人を思い出した。 夜に二人でドライブして、なんだか道に迷って、 私はいらいらしてるのに、ヤツはとっても楽しそうだった。 どこに向かってるかわからない暗闇の農道をひた走り、 途中、怪しいモヤがかかった道があり、 私は変な霊体の塊でもあるのかと思ったりしてビビったが、 ヤツは楽しそうだった。 良く考えれば二人でよくいろいろな所へ行った気がする。 ライブにも映画にも。 喫茶店で何気に見せてもらったヤツの手相が凄かったのを思い出す。 この世の人間とは思えない手相だった。 見たこともない手相だった。 生命線も感情線も頭脳線もどこにあるのかわからなかった。 あいつはきっと宇宙人で宇宙に帰ったのだ。 地球はさぞ生きにくかったろう。 きっと今は故郷に戻って幸せにしていると、そう自分のために、そう信じたい。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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