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ある朝の出来事である。
目が覚めると雨の音。 「雨かぁ…」 月曜の雨は一週間をゆっくりとスタートさせた。 いつもの時間より少し遅かっただろうか。 ベッドから這い出し、朝食の準備をする。 準備と言っても手の込んだものではない。 マーガリンを塗っただけのトーストを一枚食べるのがここのところの日課だった。 朝食が終わると洗面台に向かう。 パーマをかけた髪が今日は一段とまとまらず、左の頬に出た赤いシミに嫌悪感が増していく。 鏡の前から足早に立ち去り、クローゼットからスーツを引っ張り出した。 「仕事か…」 そうだ。仕事に行くのだ。 一度パンツスーツに着替えたものの、スカートに履き替える。 バックのなかを点検し、ミネラルウォーターの入ったペットボトルを片手に 「じゃ、行ってくる」 と勢い良くドアを開けた。 ゴンッ! と鈍い音がした。 ……… ちょっと~っ いくしぃじゃんか~っ なんでそこに立っとっと~っ ドアの向こう側には、トイレに入ったナナッチを追いかけて行ったいくしぃが立ち尽くしていた ごめんいくしぃ いくしぃのおでこにクリーンヒットしたドアチョップ 一瞬、何が起きたかわからないような時間が数秒、私といくしぃの間に流れる 徐々にいくしぃの顔が歪み出す… ダメいくしぃ 泣いちゃだめ バックのなかから化粧ポーチを取り出し、ドアチョップされたいくしぃに 『は~いお化粧しましょうね~』 するといくしぃ、にへらぁと笑顔に… ほっ 良かった 泣かなくて良かった~ 『じゃ、おばちゃん、お仕事行くねいくしぃ、バイバーイ』 と、逃げるように家を出た な~にが 「月曜の雨は一週間をゆっくりとスタートさせた。」 だよ ち~っとも「ゆっくりスタート」なんかしてませ~んっ しかもいくしぃごめんに気を取られ、ひろぼんに『わっ』と驚かされる始末 ま~ったく、朝から忙しい家だわ~ 「ゆっくりスタート」など我が家には… …あり得ん お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2008.04.14 22:41:16
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