フォードが生き残り、GMが潰れた理由
GMとフォードの違いとは,うさぎと亀の例えで、GMはマネーゲームに走り、亀のように車作りをしたフォードが生き残ったとの興味ある記事です。ニューヨーク在住の自動車アナリストは、「GMはマネーゲームばかり気にして、売れる自動車を作ることを忘れかけている」と指摘していたことを思い出します。GMは伝統的に金融部門が強く、消費者から評価される車を作って収益を上げることよりも、金融取引で儲けることに関心が行き過ぎたのでしょう。本来、車を作ることが主な仕事であるはずの自動車メーカーが、マネーゲームに腐心していたら、売れる車を作る技術がさび付いてしまうことは当然の結果かもしれません。それだけがGM破綻の原因ではないでしょうが、そうした企業風土が、影響を与えたことは確かだと思います。 一方、そのアナリストは、「企業の規模でGMに抜かれたフォードの経営者は、最終的に、いい車を作ることを忘れなかったのではないか」と言っていました。彼の言葉を借りると、"マネーゲームに酔った"GMと、"車を作ることを忘れなかった"フォードの差が顕在化したといえるのかもしれません。 単純化すると、それは"ウサギ"と"亀"の競争のようなものです。目先の利益を追うあまり、金融取引など手っ取り早く儲かる分野に目が行ってしまった結果、本業の技術力が低下したことに気が付くのが遅れたのです。それは、"亀"との競争に負けた"ウサギ"のような存在といえます。こうした例は、自動車産業に限らず、さまざまな分野で見ることができるケースです。私たちも、何かが起きたとき、自分が"ウサギ"なのか"亀"なのかを考えてみることが必要です。出典:http://www.nikkeibp.co.jp/article/column/20090730/171202/