電気使わぬ冷房技術
国内原発の稼働停止による電力不足を受けて、電気を使わない冷房や空調技術に注目が集まっている。三菱樹脂が開発した水蒸気吸着材「AQSOA(アクソア)」を使った冷却システムもその1つだ。 アクソアはゼオライト系機能性吸着材で、結晶中に非情に細かい穴が空いており、その穴に水分を吸着させることで、周囲を乾燥させる働きを持つ。シリカゲルなどの従来の吸着材に比べ、低温で水分を放出する特性を持つ。太陽熱や工場排熱、自動車の排気など50~80度の排気の多くが利用されないまま、大気に放出されており、これらの熱の再利用にもつながりそうだ。 従来の吸着材は、水分を放出するために100度以上の熱を加える必要があったが、アクソアは結晶の構造を均一にすることで60~80度の熱で放出できるようになった。 アクソアが水分を吸着しようと蒸発させた際の気化熱で5~15度の冷水を作ることができ、工場などの排熱で吸着した水蒸気を水として放出させて循環させることで冷房設備として機能することになる。出典:http://www.sankeibiz.jp/business/news/120929/bsc1209291220012-n1.htm