ささやかれるサムスン“スマホ撤退”の可能性
韓国サムスン電子の2015年10~12月期(第4四半期)決算(暫定値)は、営業利益で前年同期比15%増の6兆1000億ウォン(約6030億円)を確保したが、実態は市場予想を下回る結果だったことが明らかになった。中国の景気減速に伴ってスマートフォン需要そのものが弱まっていることが響いた。鳴り物入りで発売した新型ギャラクシーの売れ行きは伸びず、中東市場などでも中国勢との激しい競合を強いられている。スマホ市場が飽和状態に陥る中、パナソニックなど早々と個人向け機種から手を引いた日本メーカーに続き、サムスンのスマホ撤退の可能性もささやかれている。 アナリスト予想下回る業績、構造変化の波 サムスンが1月8日に発表した2015年10~12月決算(暫定値)は、営業利益が前年同期比15%増の6兆1000億ウォンの増益だった。 しかし、その結果は市場を満足させる内容ではなかった。 ブルームバーグがまとめたアナリストの予想平均に比べ、5400億ウォン低く、トムソン・ロイター・エスティメーツのアナリスト予想でも5千億ウォン少なかった。四半期ベースでみれば、15年7~9月期比17%減で、5四半期ぶりの営業減益だった。米ネットメディアでは昨年秋ごろ「5年以内に携帯電話ビジネスから撤退する可能性がある」(クリエーティブ戦略アナリストのベン・バーリン氏)との見方も出るようになった。それほど、スマホ技術は汎用化が進み、利益が出にくい構造になっているのだ。同氏は、巨大企業が自社製品の「いいとこ取り」を後進メーカーにされて、不振に陥る「イノベーションのジレンマ」にサムスンがはまっていると分析する。苦境を脱する術はそう簡単にみつかりそうにない。出典:http://www.sankeibiz.jp/macro/news/160131/mcb1601310715001-n1.htm