スタートアップに群がる自動車大手
「100年に1度の大転換期」(トヨタ自動車の豊田章男社長)といわれる節目を迎えた自動車業界。人工知能(AI)の活用や自動運転、脱ガソリンといった「大転換」の中でもいち早く実用化が進んでいるのが「つながる車(コネクテッドカー)」の技術だ。これまでの自動車産業のピラミッド構造の中には存在しない「つながる技術」を求め、自動車各社が熱視線を送るのが、スタートアップ企業だ。自動車大手はこれまで、「つながる技術」を求めて通信会社や半導体メーカーとの提携を進めてきた。クルマに通信インフラを搭載するためだ。例えば、米フォード・モーターは米通信大手ベライゾン・コミュニケーションズと提携して現在、携帯電話で広く使われる4G(LTE)を搭載した。トヨタ自動車は4GでKDDIと提携する一方、次世代の通信規格「5G」ではNTTと手を組んだ。 だがここ数カ月は、コネクテッドカー技術を取り込むために未上場のスタートアップ企業に目を向ける動きが目立っている。2017年のコネクテッドカー関連のスタートアップ企業への投資額は過去最高の5億ドルに達した。デンソーは米Dellfer(デルファー)と米ActiveScaler(アクティブスケーラー)に出資。独コンチネンタルは17年11月にイスラエルのArgus Cyber Security(アルグス・サイバーセキュリティー)を買収。米Aptiv(アプティブ)は17年1月、Movimento Group(モビメント・グループ)を取得した。アルグスはコンチネンタルに買収される前に、マグナからの出資も受けている。出典:https://www.nikkei.com/article/DGXMZO31533410Y8A600C1000000/?n_cid=DSTPCS001