デンソーが先進運転支援システム(ADAS)で反撃
デンソーが先進運転支援システム(ADAS)で反撃の狼煙(のろし)を上げた。同社が2022年1月14日に発表した第3世代ADASセンサーは、従来の第2世代ADASセンサーに比べてコストを同等に抑えながら、交差点における出合い頭衝突への対応や、高速道路の単一車線における「ハンズオフ」走行などの新機能を搭載したのが特長である。ADASセンサーの競争軸は現在、こうした新機能の実現に移っている。デンソーは第3世代ADASセンサーを武器にして、国内外のメガサプライヤーに対抗する。 デンソーの第3世代ADAS「Global Safety Package 3」(以下、GSP3)は既に、日野自動車の中型トラック「レンジャー」と、トヨタ自動車の中型SUV(多目的スポーツ車)「レクサスNX」に搭載されている。さらに、トヨタが22年1月13日に発売した中型ミニバンの新型「ノア/ヴォクシー」にも採用された。GSP3は、1個の単眼カメラと1個のミリ波レーダーで構成するセンサーフュージョンシステムである。センサー構成は第2世代ADAS(以下、GSP2)と同じだが、性能を高めることによる利用シーンの拡大と、小型化・低コスト化を両立させた。「GSP3のコストはGSP2と同水準」(同社)という。出合い頭衝突の回避やハンズオフ走行を可能に デンソーのGSP3を搭載したトヨタの新型ミニバンは、フロントウインドー上部の室内側に単眼カメラを1個、フロントグリル中央のエンブレム裏にミリ波レーダーを1個装着する(図2)。これらのセンサーを使う同車の自動ブレーキは、交差点における車両や二輪車との出合い頭衝突を回避できる。交差点を右折する際の直進対向車や、右左折時に前方から来る歩行者やサイクリスト(自転車運転者)にも対応している。出典:デンソーがADASで反撃、「メガ」対抗の新世代センサー | 日経クロステック(xTECH) (nikkei.com)