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2012.02.27
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カテゴリ:東川篤哉馬鹿
中途半端な密室

東川篤哉の「中途半端な密室」

「烏賊川市シリーズ」と似たような装丁だけど

東川篤哉の“プロデビュー前”の短編集(1本だけデビュー後)。

全5作で、全て“安楽椅子探偵モノ”。

今一番売れてる「安楽椅子探偵モノ」を書いてる作者の

プロデビュー前の“安楽椅子探偵モノ”。

もうそれだけで価値がある。


独特のテンポ、凝ったトリック、

この段階で今の東川作品の魅力のエッセンスが見て取れる。

興味深いのは「竹と死体と」の中で語られる「安楽椅子探偵論」


「世の中に氾濫しているミステリの中には、

いちおう安楽椅子探偵をうたっているものも多いが、

その中身には失望させられることが少なくない」



と前置きした上で、

安楽椅子探偵は少ない情報量で結論を導き出すのが

安楽椅子探偵、ひいては作家の腕前とし

話を運びやすくするために

刑事とか新聞記者などを探偵の相棒にするのは

やりすぎると「探偵が安楽椅子に座っているだけ」

「普通のミステリと大差ない」・・・としている。

ってことで、この5本は喫茶店と古書店で推理が行われ、情報源も

「中途半端な密室」は新聞記事のみ

「南の島の殺人」は友人からの手紙のみ

「竹と死体と」は新聞記事のみ

「十年の密室・十分の消失」は友人からの手紙のみ

・・・と潔い。

プロデビュー後の「有馬記念の冒険」は途中まで刑事が捜査を進めるが

最終的には刑事に事情を聞かれた学生の話を聞いただけで

古書店のバイト学生(「南の島の殺人」以降は全て同じ探偵)が解決と

捻りを加えている。


この5本を読み、当時の東川の「安楽椅子探偵論」を踏まえた上で

「謎解きは~」を見てみると

「原理主義」を脱して現実的な着地点を見つけたんだなと感じる。

東川ファンにとっては面白さに加えて“意味”もある一冊。


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Last updated  2012.10.21 21:20:18
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