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テーマ:アート鑑賞(606)
カテゴリ:アメリカ日常生活
オークランドのカリフォルニア美術館で開催中のバーニングマン・アートの展示に行ってきた。「バーナー(=バーニングマン参加者)」な相棒いとこと一緒に。 バーニングマンっていうのは、毎年夏の終わりに砂漠で1週間開催される実験的フェスティバル的巨大イベント。サンフランシスコが発祥ということもあってか、ベイエリアに住んでるとバーナーはけっこう身近にいる。ビジネススクールのクラスメートもそうだし、前の家の大家さんもそうだし。 私のイメージでは「バーニングマン=砂漠でパーティ三昧」だったんだけど(最初にバーニングマンを知ったきっかけのクラスメートがオルタナ系パーティーガールだったから)、もちろんもっと深いっていうかいろんな要素がある。貨幣経済や商行為の否定による贈与型経済の実験、全員参加型の自己表現の場、などなど。私も行ったことないので直接的には知りませんが。 そして表現の場ってことでアート。バーニングマンはいろんな作品がが制作され実践され鑑賞されるとてもユニークなアートイベントでもあるってことで、アートやるならバーニングマンに一度は行ってみなくちゃ・・ってことで、アーティストな相棒いとこも今年の夏にバーニングマンに初参加してきたんですね。 私はアーティストではないけど、アートに関心は多々あり。今回オークランドのカリフォルニア美術館でバーニングマン・アートの展示があるってことで、バーナーな相棒いとこをお誘いして行ってきたわけです。 感想は・・おもしろかった! 伸び縮みして形と色を変える幻想的な巨大キノコとか、寝そべって見上げる音楽に合わせて幾何学模様が万華鏡のように変化するLEDスクリーンとか、多種多様な白黒イメージを印刷した紙を切り抜いた装飾で覆われた精緻な凱旋門とか、巨大な回転パーツがついたグループ自転車とか、プログラムで静かな音楽を鳴らすガムランツリーとか、ちょっとイスラム美術っぽい繊細な模様の透かし彫りが施された金属板が組み合わされたオブジェ(中の照明から外向けに投影される影が美しい)とか、人力で移動する金属ドラゴンとか(アルミのキャンピング皿やマフィン型も使われてた)。 あとはギブ&ギブを体現する「ガチャガチャ」とか。ギブしたい人があげるものを入れたプラスチックのボールをマシーンに入れておき、欲しい人が(お金を入れずに)ハンドルをひねるとボールがランダムに出てくるしくみ。他にもモノクロ映画?を流す移動映画館とかも。 やっぱりバーニングマンというユニークな場を生かしたインタラクティブな作品が多い感じ。鑑賞する側の行動と反応まで含めて作品が出来上がるというか。あと過酷な環境に耐える素材選びとか、最後に燃やすことを念頭においての作品作りとか。 屋外には「テンプル(バーニングマン会場における瞑想の場で毎年燃やされて翌年全く別のものが建てられる、らしい)」の複製もあったんだけど、こんなに凝ったものを毎年作っては燃やすっていうのも哲学的だなあと思ったり。全ては無に帰るというか、存在の一瞬の重みをありがたく受け止めるというか。 相棒いとこがいろいろ解説してくれたおかげで、本来の場のコンテクストを垣間見ることができて、一人で行くより格段に理解が深まったと思う。 まあでもバーニングマン・アートの真価はやっぱりその場に行って体験してみないとわかんないんだろうなーとは思った。白い地面に照りつける日光、乾ききった空気、前が見えないほどの砂嵐、夕焼け、冷え込む夜、24時間鳴り響くレイブミュージックとバスドラム、ネオンと照明、ギブ&ギブのやりとり、キャンプメイトと顔突き合わせての生活、そういう全ての中にいてこそ伝わってくる内容がきっとあると思う。 相棒いとこといろんな話できたのも楽しかった。今注目してるアートをお勧めしあったり、カリフォルニア美術館の常設展示の中にあった「アートとは何か?」の問題提起を観ながら話しあったり。常設展示の他の作品もおもしろかったです。 来場者がその場でデジタルパッドに描いた自画像をその他の肖像画と一緒に展示するというインスタレーション(モニターに明るく映ってるのが私の自画像です) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2020.01.24 15:50:11
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