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先週の上野巡り。 没後40年 レオナール・フジタ展 札幌の北海道立近代美術館、宇都宮美術館を経て、 上野の森美術館 2009・1・18 まで 以降、福岡、仙台を巡回 北海道立近代美術館が口切りであり、 この展覧会に尽力していることは、 とても嬉しいことです。 空いていて、ゆったりと見ることができた。 でも、ウレシカナシ。 もったいない 。。。 2年前の藤田嗣治展に比べ、規模は小さいけれど、 晩年、フランス国籍を取得し、カトリック洗礼を受け、 レオナール・フジタ となってからに重きをおいての展示が 充実していた。 *** 前半、親しかったモディリアニの影響色濃い作品が並ぶ。 モディの書いたフジタの素描も。 油彩は残されていないのだろうか ? モディが描いた、 スーチン、キスリング、ピカソ、ディエゴなどの油彩画は 見たことがあるのだけれど。 乳白色の時代のものは、今回少ないけれども、 私は、「 仰臥裸婦 」 が とても好き。 *** 今展の目玉である「 争闘 」「 構図 」 4枚一連の大作。 倉庫で丸められ、ひどい状態で発見されたという、 それらの修復作業のことは、以前TV特集で見たけれど、 修復作業を終えての、最初で最後の日本展示だそう。 ひゃ ~~~~~ ぁ マッチョマンばかり ...。 女たちも、これはもしやゲイ ? と思ってしまうくらいに みんな マッチョウーマン ! ビーナスやエンジェルまでもがマッチョ なんですけれど ...。 「 天国と地獄 」 という解釈は、私にはちょっと難しい。 *** 晩年に描かれたものでは 「 イヴ 」 素敵 ・・・ ! この頃のものは、どんどん色が付いていって、 劇画的 とも感じる。 私だけ ? イヴも、すごく現代的な顔と姿態を持った女性。 そういった意味では、ちょっと、なまなましさも感じる。 個人的趣味としては、 乳白色の時代のものが好き。 最も洗練されていて、 気品高く、美しい 。。。 と思う 。。 **** 晩年の終の棲家の再現。 前回の展覧会でも、 額縁などまで作るかたなのね、 とは思っていたけれど、 このお家の中では、何もかもがフジタの手仕事。 カントリーふうキッチン。 衝立の装飾。 裁縫道具などの箱に書いた絵。 絵付けされた陶器 etc 小さな子供たちや人形など、 可愛らしいものばかりがモチーフ。 どうしちゃったの フジタ 。。。 ??? っていうくらい 。。 そのフランスの片田舎の一軒家は、 なんだか、アルプスの少女ハイジのおうちのように可愛らしい。 童心に帰ってたわいなく遊んでいるように。 *** でも、 童心に帰った好々爺 で終わらないところが フジタ ! 最晩年に手がけた、 カトリック礼拝堂の建設。 ステンドグラス。 フレスコ画。 今展では、映像、写真、習作などでの紹介なのだけれども、 老いても、信念に衝き動かされての激しい仕事に圧倒される。 ヒロシマ、ナガサキ の惨事もステンドグラスにし、 主祭壇には、日本の菊の文様が刻まれている、という。 今、そこに眠るフジタ。 戦争画によって、なかば戦犯扱いされ、 日本を追われる形となったフジタの どうしても残しておきたかったものなのかもしれない。 フランスに終の棲家を得、 レオナール・フジタとなったフジタの、 80歳にして身を削っての渾身の遺作。 *** 近藤史人 「 藤田嗣治 「異邦人」 の生涯 」 読もうと思い買ってきた。 以前読んだ自伝「 腕一本 巴里の横顔 」も、 エコール・ド・パリのエピソード満載でおもしろかった。 そして、すばらしく、見応えも読み応えもある今展カタログ。 少しずつ、少しずつではあるが読んでいる。 あらためて見に行きたい。 興味つきない画家。 *** 2006年 藤田嗣治展 の覚え書き お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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