映画 『 ラストコーション 』 を見たのは、
去年の今頃だったろうか 。。。
ブログは休んでいた時期なので、記してはいないけれど。
先日の金賢姫と拉致被害者の家族との対面。
そして、昔、読んだ、金賢姫の 著作
『 いま、女として 』 について、
リンク先のかたが書いていらしたこともあり、
この映画と重ねて思い出していた。
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『 いま、女として 』 は
普通の少女であった金賢姫が、
秘密工作員として選ばれ、洗脳され、
リ・ウネ ( 拉致された田口八重子さん ) から
日本語と、日本人になりすますためのあらゆる教育を受け、
大韓航空機爆破に至った経緯、
死刑囚となるも、恩赦を受け、結婚し、
ひとりの女として生きるまでを詳細に記した自伝。
そして、金賢姫の数奇な運命は、
あの美貌によって更に伝説化された、
と言っても過言ではないと思う。
大量殺人の実行犯という重罪は、恩赦といえども、
決して許されることのないものであるけれども、
自らも、逃れられない運命によって、
北朝鮮に諜報員として仕立て上げられた、
被害者でもある金賢姫。
未だ行方不明の拉致被害者救助の力となっていただけるなら、
金賢姫の魂も救われようと思う。
( 異論承知の上での発言 )
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『 ラストコーション 』 は、
1940年代の日本占領下にある上海が舞台の映画。
北朝鮮の金賢姫とは様々な事情も違うけれど、
やはり秘密工作員に仕立て上げられた女と、
それら諜報員たちに暗殺を狙われる男との愛。
実在のモデルがいるらしい。
去年の上映当時は、キワドイシーンばかりが話題にされ、
「 見てきたけど、よかった。 」 のひとことも、
おいそれとは言えないような雰囲気があった。
でも、映画として、ほんとに見ごたえのある、
しっかりとした手ごたえを感じるものがある、
秀逸な映画。
終始、緊張感のあるカメラワークが美しい。
アン・リー監督映画。
同じアン・リー監督で、アカデミー・オスカーを取った、
『 ブロークバック・マウンテン 』 は、
私にはひとつガツンと来なかったのだけれど。
『 ラストコーション 』 は、
ヴェネチア映画祭グランプリ金獅子賞。
新人女優タン・ウェイの暗い瞳にほとばしる情熱。
トニー・レオンの苦みばしった表情に合間見える、
男の人の本音と建前。
暗闇に灯る、ろうそくの炎のような揺らめき 。。。
歴史的背景に疎い自分が情けないけれど、
当時の上海の街の様子、
チャイナドレスの艶やかさにも魅せられた。
衝撃のラスト 。。。.