先々週の日曜美術館の特集を見て、行ってきた。
こちらもやはりデパート展。
本の表紙絵、スタイル画、物語挿絵など500点
IN 松屋銀座
この展覧会は、
隙なく(?)おしゃれして行ったほうが
ぜったいに楽しめる展覧会だと思うのだけれど、
仕事帰りになんとかジーンのまま飛び込んだ私。
それがちょっぴり残念 (笑)
文庫本大のスタイルブックは一冊持っているものの、
中原淳一の原画を見るのは初めて。
大正ロマンの竹久夢二の流れを汲む、叙情派。
竹久夢二は、昔かなり傾倒して以来大好きで、
絵葉書を全部集めてしまっているほど 。。。
中原淳一は、素敵だな、と思うものの、
そんなに思い入れがなかった。
でも、今回、原画を初めて見て、
あの乙女たちの眼力に惹きこまれた。
ただの甘ったるい夢見る乙女ではなくって、
芯のある、美しい瞳。
竹久の女たちには、泣き(?)が強く入っていると思う 。。。
中原の女は、夢みる瞳であっても、物憂げであっても、
決して悲劇名詞にはならない気がする。
中原淳一が、
ファッション界、マンガ界をはじめ、
戦後の女性の感性に及ぼした功績の大きさも、
改めて知った。
母や向田邦子などが若かりし頃の写真に見られるファッションって、
このかたの影響大だったんでしょうね。
今見ても、全く古くなく、おしゃれなスタイル画の数々。
色使いも洗練されていて美しい。
そのまま今のモードなものもたくさん。
私も、母が若いころ着ていたワンピーやツーピーの中から、
お気に入りのものを何点かだけだけれど、
形見として所持していて、
すこ―し現代風にアレンジして、
たまに実際に着たりもしている。
ドロップショルダーでデコルテの空きが美しく、
ウエストをギュッと絞った、夏の白黒ワンピーは、
その中でも一番のお気に入りなのだが、
今回のスタイル画にも、
そっくりなデザインがあったりして、フムフム ...。
人形作家だったことも初めて知った。
会場入り口には、
淳一デビューのきっかけとなった、
松屋銀座 ( 今回と同じ )での
1932年の人形展の再現。
男性なんか、今のスキニージーンそのままのファッション !
会場にもシャンソンが流れていたけれど、
まさしくシャンソンの一節が浮かんでくるような人形たち。
会場のあちこちに掲げられている淳一の言葉。
純粋無垢で、ストレートすぎて、
ちょっと気恥ずかしくなるような言葉ばかりだけれど、
本当にそうね ! と素直にすとんと胸に落ちる、
真実素敵な言葉ばかり。
心に留めておかなくては。
販売されていた、魅惑的ななスタイルブックの数々、
みんな欲しくなっちゃったけれど、
カタログが安かったので、
とりあえずそれだけで、ぐっと我慢 ^^
***
もしこの世の中に、
風にゆれる 『 花 』 がなかったら、
人の心はもっともっと、
荒んでいたかもしれない。
( 中原淳一 )
IN 松屋銀座
2009・3・18 ~ 3・30 ( 終了 )
中原淳一HP