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カテゴリ:本
桐野さんの「OUT」がすごく面白かったので、 これも読んでみました。 あらすじを少し書くので、 知りたくない人は読まないでくださいね。 幼女失踪事件の話なのですが、 最後に犯人が分かるような、推理小説だと思って読んだら、 全然違うので、読後はスッキリしませんでした。 でも、主人公が30代の主婦で、 失踪したのは5歳の娘と言う設定が、 今の自分と重なって、色々考えさせられました。 主人公の主婦は、旦那の友人であり取引先でもある人と不倫をしていて、 お互いの家族を巻き込んで、不倫旅行に出かけるのですが、 その出先の北海道で娘が失踪してしまいます。 何の手がかりも残っていなくて、 まるで神隠しのように娘が居なくなって、 それがきっかけで不倫がばれてしまい、 家庭が崩壊して、不倫の二人も別れて、 みんなが別々の人生を歩んで行きます。 私は自分が結婚しているから、 不倫には嫌悪感があって、 読み始めた時は全く主人公に共感できませんでした。 でも、それまでは子供を捨ててもいいとさえ思って、 不倫をしていた主人公が、 娘が居なくなってパニックになる所などは、 自分に置き換えてしまって泣けました。 こんな心理が描けるなんて、やっぱり作家ってすごい! 主要な登場人物は、みんなすこしづづ曲者というか、 変わった人ばかりだったように思います。 どの人が犯人でもありえるけど、 結局最後まではっきり犯人は分かりませんでした。 私の読解力不足かな? 想像だけの犯人で、確信が持てないというか。 不倫相手だった人は、落ちぶれて最後にはヒモになるのですが、 そういう転落って小説だからじゃなくて、 普通にありえるよな~と思って少しぞっとしました。 今、私の周りに居る人達も、 何を考えているか、本当の所は誰にも分からないし、 自分だって人から見たらどう思われるか分からないし、 今さらながら、人間って孤独だと思いました。 でも私は家族を大事にして、 みんなで生きていきたいなぁ・・・。 なんだか、推理小説というか、人生を考えさせられた本でした。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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