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カテゴリ:本
なんとなく、虚構の世界を楽しむ気分ではなかったので、 ノンフィクションを読んでみました。 ☆歌代幸子 「音羽『お受験』殺人」 この事件が起こった当時、 ワイドショーで騒がれていたのはなんとなく覚えているけど、 まだ独身だったし、あまり関心を持ちませんでした。 その頃は、子供のいない私でも、 「お受験」や「公園デビュー」なるものは知っていましたが、 私の地元には、付属幼稚園や国立・私立小学校は選べるほどなくて、 受験する子も限られていたし、 公園デビューも、「アホらしい」としか思えませんでした。 でも、子育て中の今の私の目でこの事件を見ると、 犯人の境遇(実家から遠く離れての子育て、孤独)は分かる気がします。 ママ友達との微妙な関係とか、見栄の張り合いとか、 そんな事もありがちな事ですよね。 大変なのは分かるけど、 だからといって、そんな事で自分の子供と同じ年頃の子供を殺してしまうなんて。 この本では、犯人の目から見た出来事しか描かれていないので、 犯人が哀れなようにも思えるけど、 どんなに自分が苦しくたって、人を殺していいはずがないです。 未来のある幼い子供を殺しても、懲役14年とかなんですね。 私は、どんな理由でも、人を殺した者は極刑でいいと思ってます。 被害者は生きる権利を無理やり奪われてしまったのに、 犯人がどうして生き続けられるんだろう。 「2才8ヵ月。これからまだまだたくさんの人と出会い、 いろいろな経験をして素敵な女性に成長していく未来があったというのに。 ここまで育てる大変さをわかっているはずの人間に、 その人生を絶たれた事を、その恐ろしさをこれからどう克服していけばいいのでしょうか。」 (被害者の父親の手記を引用) この部分を読んで涙がでました。 ☆大沼安正 「『人を好きになってはいけない』といわれて」 著者に共感するというか、 子供を育てる大変さを痛切に感じました。 著者の両親は新興宗教を信仰していて、 その価値観で子育てをしていたようですが、 子供がそれに疑問を持って反抗しても、 ついに自分の信仰を曲げなかったようです。 家出を繰り返したり、引きこもりを続けたり、 全く子供らしくない生活を送っていたのに。 親と子供は別人格だというのは分かってはいるけど、 私も自分の意見を子供に押し付けていないかな。 大人になりきれてない親なので、すごく不安です。 暴力以外にも、子供を傷つける事はたくさんあるんですね。 著者が夢を持ち続けて、 自分を変えていった所には希望が持てました。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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