カテゴリ:日常生活
『人として天下の益ならん事を計らず、
碌々として一生を過ごさんは禽獣にもおとるべし』 司馬遼太郎の作品『菜の花の沖』に登場する、主人公嘉兵衛の大先輩である松右衛門旦那の言葉です。「一人の人間として世の中のためになることを考えず、私利私欲のためだけに一生を過ごすことは、動物よりも劣るのだ」という意味です。他の人にも押し付けるつもりはないが、僕はこの言葉が好きです。世の中、私利私欲のため、金のためだけに働く人達もいます。もちろん私利私欲を満たすことは豊かな人生を築く上で大切だし、お金のことを考えずに仕事なんてできません。社会人になって、本当に生きていくだけのお金を稼ぐだけでも大変だということを痛切に感じるし。 (以降、若気の至り発言です。) でも、私利私欲のために社会的資産や社会道徳を乱してしまってはいけないと思うんです。「ここに商業施設を建てれば儲かるから」という理由だけで自然や地域コミュニティを破壊して乱開発したり、「こういう番組をやれば視聴率が上がるし視聴者の購買意欲が上がるから」という理由だけでエログロのモラルを破壊したりするような番組を作ったり。「ニーズがあるからやってる」「ニーズに答えることはクリエイターの仕事だ」などの言い分もありますが、そもそも「ニーズ」をコントロールしているのはクリエイターであり、またクリエイターがニーズをコントロールすることができると思うんです。ならば「ニーズに答える」というのは言い訳でしかなく、社会的向上を促す「ニーズ」を創り出していくことがクリエイターの仕事なのではないかと思うのです。 もちろん、自分自身そういう職業に就いた経験があるわけではないので、その業界の方々からすれば机上の空論、空虚な理想でしかないと指摘されると思います。でもそういう気持ちを持って仕事に望むことって大切なんじゃないかな、とか、そういう気持ちを持って仕事をする人が増えれば、社会は良い方向に向かっていくんじゃないかな、と思うんですよね。たまに。 はい、無知者の戯れ言でした。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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