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京極万太郎

京極万太郎

2007.11.16
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   でっちあげ

平成15年(2003年)に福岡市の小学校であった事件についてのルポです。

男性教師が担任する男子児童1人に対してひどい体罰を繰り返し、
自殺を強要までしたため男子はPTSDを発症して入院するほどの状態になったそうです。

児童の両親は市と教師を相手に損害賠償を請求する民事訴訟を起こすんですが、
その裁判の過程でどんどんおかしい事が出てくるんです。

結局裁判では男子児童がPTSDであるということを認めず、
その原因とされたひどい体罰も行われなかったという判決が出されますが
訴えられた先生にとってはかなりきつい経験だったと思います。

読んでいると、原告となった児童の母親の嘘つきっぷりに驚きます。
昔「平気でうそをつく人々」という本がありましたが、まさにそれです。
一体どうしてそこまでやれるのか、と怖くなりました。

嘘を本当にするために自分の子どもを精神科病棟に入院させたり
抗鬱剤や睡眠導入剤を飲ませたり、かなりなレベルです。

それから、マスコミの報道の仕方にも問題ありだと思いました。
最初に「教師によるいじめ」という話がバーッと流れてしまい、十分な検証がされないまま家に押しかけられて普通に暮らせなくなったり、脅迫状が届いたり…。
それで裁判が始まったくらいまでは大きく取り上げていても、判決を報じる時には最初の記事よりもはるかに小さい扱いで、気づかない人も多いと思います。
私もこの事件の事は知ってましたが、判決のことは全く知りませんでした。

本当に、報じる方は何のお咎めも反省もなく、報道される方はやられ損ですよね。
松本サリン事件で各社が謝罪広告を出していたのを思い出しました。
最近だと「麻生クーデター」なんかもひどいと思うんですが、
謝罪するマスコミや政治評論家なんて皆無ですもんね。

どんなことに対しても、多面的に見るよう心がけたいです。


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最終更新日  2007.11.16 22:38:51
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