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ミカン農家はここ十数年、誠に厳しい状況に置かれております。
年によっては農家手取りが再生産価格を割り込むこともあり、特に 二年前からの原油高騰の影響で、生産資材や農薬、肥料代は大幅に 値上がりし、ミカン農家の経営はギリギリのところまできているの であります。 今年は裏年に当たり、生産量は全国的にも当初の予想以上に少ない のではないかと言われておりますが、品質面では天候にも恵まれ、 収穫前の雨と害虫カメムシの被害を心配しておりましたが、一応に 品質の良い、美味いミカンに仕上がったとのことであります。 いよいよ出荷の最盛期を迎えております。販売価格、荷動きの状況は どうか、まずお伺いいたします。 また、数量が少ないだけに、年末にかけての高値を期待している ところでありますが、どのような見通しか、併せてお伺いを致し ます。 次は優良品種による新たな産地形成についてであります。 地球温暖化の影響か、ミカン産地の適地に明らかな変化が現われて おります。それと共に消費者の嗜好は、食生活が豊かになるにつれ、 多様化していく中で、外国産も含めて多種多様な果物が日本中の 店頭に並べられ、ミカンにおいてもその例外ではなく、様々な種類の ミカンが消費者から求められるようになってまいりました。 今や消費者の求めに応じ、嗜好にあった品種のミカンを生産し、 いち早く産地を形成していくことが、ミカン農家の将来へ向けて、 愛媛ミカンの生き残りをかけた喫緊の課題であります。 県においてもこの要請に応えるべく、数年前から果樹研究センターを 中心に優良新品種の開発に取り組み、大きな成果を上げております。 現在 県の果樹農業振興計画では、有望品種として生産目標を立てて いるものが「せとか」「まりひめ」など八品種あり、これ以外にも 産地ごと、農家ごとに取り組んでいる品種が、十種類以上にのぼって おります。 しかしミカン農家にとって今一つ大切な問題は、その優良新品種を いかにして消費者にピーアールし、販路を拡大していくかということ であります。 当然のことながら市場流通に乗り、有利販売をしていくためには、 まず第一に市場が要求する高い品種をそなえると共に、市場・小売店の 求めに応じて、いついかなる時でも必要量が出荷できる生産体制を整える ことであります。一定の量の確保は、特に新たに産地を形成するための 必須の条件であります。 しかしながら、生産農家の新品種への改植現場を見てみますと、それぞれが 改植に真剣に取り組んではいるものの、品種の選定をはじめ、その対応は バラバラになっております。 一部の地域では、共選単位での指導も見られますが、一般のミカン農家は 情報が乏しいが由に、ややもすると風評に惑わされ、個人あるいは小さな グループで“いわゆる自選多選の有望品種”へ安易に飛びつき、改植する ケースが多く見受けられるのであります。 これでは産地と認められるだけの量はとてもまとまらず、有利販売に つながる新しい産地形成は不可能であります。 そこでお伺いを致します。 優良品種の実証試験も進み、消費者の動向もある程度わかってきたと 思われる今、県の推奨品種を絞り込み、少なくとも共選単位での生産・販売 体制を早急に確立しなければならないと思うものでありますが、ご所見を お伺いいたします。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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