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毛利 修三でございます。
私は5年前にブータンと言う国を知ってから、この 国に魅せられております。 ヒマラヤ山脈の麓にある、人口約69万の小さな 農業国であります。日本には今まで、余り馴染みの無 かった国でありますが、昨年11月国王夫妻が来日さ れ、東日本大震災の被災地を慰問していただきました。 その際の、被災地の皆さんと交わされた国王の、あの 何とも言えない心優しいお言葉や、爽やかなお姿に感 銘を受けたのは私だけではないと思います。 この国は、農業以外にはこれと言った産業もない、 経済的には貧しい国でありますが、何と国民の97% が、自分は幸福だと感じていると言われております。 ブータンは、私たちが国の発展・国力の目安として いる国民総生産ならぬ国民総幸福(GNH)を政治の 目指す所としております。 そして、国民の全てが幸せになるために、自然を守 り、伝統文化を大切にしながら、ゆっくりと近代化を 進めております。 物の豊かさや便利さを追い求めるがあまり、大切な 心を失っていると思われる私たちの社会に、ブータン は警鐘を鳴らしているような気がしてならないのであ ります。 それでは質問に入ります。 地方の過疎化、高齢化は待ったなしの段階にまで来 ております。今や「限界集落」と呼ばれる地域は全国 に1万ヶ所とも言われ、我々の身近な所にも、近い将 来、消滅してしまうのではないかと懸念される集落が 何ヶ所か見受けられます。 この地域の過疎化、高齢化の流れは1960年代の、 地方から都市への人口流出と共に始まり、高度経済成 長期にかけて拡大し、最近では小泉政権以降の急激な 公共投資の削減や製造業の地方からの撤退、或いは地 域によっては、市町村合併によって人口流出は更に加 速され、その結果、特に山間地はさびれ、地方全体が 衰退し、活力を失っているのが現状であります。 元気を失った地方をいかにして再生するか、これが 県政の最重要課題であると思っておりますが、私は、 地方の再生は何と言っても地方を今日まで支えてきた 基幹産業である農林業・水産業の立て直しにあると考 えております。 県においてはもちろん、これまでにも農林水産業を 守るために、生産基盤の整備を始め、優良品種の改良 や生産技術の革新、流通の改革など、それぞれに力を 注いて来たところでありまして、一定の成果も上がっ ており、将来に向けて望みを繋げてはおりますが、や はり懸念されるのは、担い手の問題であります。 特に農業の担い手対策が声高に進められるようにな ったのは、後継者不足が顕著になってきた1990年 代からでありますが、しかし、20年経った今も農家 の高齢化に歯止めはかからず、それどころか担い手不 足は深刻な状況に陥っております。 最新の調査である2010年世界農林業センサスに よると、本県の農業就業人口は5万2767人と、1 950年の調査開始以来最低となり、過去20年間で ほぼ半減したとことであります。更に、65才以上の 高齢農家の割合は過去最高の64.3%、平均年齢は前 回調査より2.5才高くなり66.9才と、誠に厳しい状 況となっております。 これまで、国も県も団体も、それぞれに担い手確保、 育成に真剣に取り組んできたにも関わらず。何故、高 齢化に歯止めがかからないのか、新規就農者が増えな いのか、ここで検証する必要がありはしないかと私は 思うのであります。 最近の新規就農者を見ると、農業が好きで、誇りを 持って農業に取り組もうとしている若者が増えて来て いることも事実であり、社会も、農業を守ることは日本 の自然・文化・風土を守ることであり、地方を守るこ とであると認識し始めていることも事実であります。 更には、日本の農産物は安全・安心で質が高く、世 界の市場でも充分に通用すると認められつつあり、ま さに今が、これまでの担い手対策を基本的に見直す、 好機ではないかと、考えるのであります。 このような状況の中、国においては担い手対策の 目玉事業として、今年度、就農給付金制度が新たに 創設され、新規就農者を積極的に育成していくこと とされております。 そこでお伺いを致します。 この制度も踏まえ、県は今後、誇り高き農業者を 育てるために、どのような担い手育成対策を講じて いかれるのかお聞かせ下さい。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2012.07.20 18:42:15
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