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次に、野生動物による農作物被害対策についてお
尋ね致します。 イノシシやニホンジカ、サル、鳥類などによる農 作物被害は深刻化の一途をたどっております。 県内におけるここ10年の年間被害額は、3億円 を超え(全国の被害額は2百億円)、昨年度は約3億 5千万円に上がっており、平成5年と比較すると、 イノシシ、シカの被害額が約2倍に増加しております。 地域別に見ると、依然として南予地域が全体の6割 から7割を占めるなど深刻でありますが、最近では 瀬戸内の島々や、中予、東予にも被害が広がり、イノ シシ、シカの生息地域の拡大が懸念される所でありま す。 被害の対象も多様化しており、昨年には八幡浜市の 市街地にイノシシが出没し、4人の負傷者が出るなど、 私達の平穏な生活が脅かされる事態まで発生しており ます。 鳥獣被害が急増した背景には、過疎化や高齢化の進 行による耕作放棄地の増加、人里と奥山との緩衝地帯 であった里山の荒廃、捕獲に当たる狩猟者の減少や高 齢化、温暖化に伴う生息適地の拡大など、色々と考え られますが、何よりも生息地帯である奥山の自然林が 減少し、スギ・ヒノキなどの人工林に様変わりしたこ とにより、野生動物がエサ場を失い、生活領域を失っ たことが最大の原因である、と私は考えております。 県においては今年度の当初予算でも2億円を超える 対策費を組むなど、これまでにも様々な被害防止対策 を講じており、特に昨年度、農林水産部に「鳥獣害防 止対策班」を設置し、鳥獣害対策関連業務を集約され たことは、被害の現状や現場での取り組み、個体数の 把握など、情報を一元化した上で、より効果的な対策 が可能となるものと大いに評価し、期待をしている所 であります。 そこでお伺いを致します。 まずは当面の、しかし急を要する捕獲・防除の対策 についてでありますが、捕獲においては狩猟者の減少 、高齢化が深刻な問題であり、また、捕獲も防除も効 果を上げるためには、県境を越えた他県との連携の必 要性が指摘されております。特にこれらの2点を踏ま えて、今後どのように対策を進めていかれるのか、お 聞かせください。 次に、鳥獣害対策で大事なことは、先にも述べまし たとおり、野生動物が人里に下りてくるようになった のは、奥山の自然林が減少し生活の場を失ったこと、 里山が荒廃し、人里に近づきやすくなったためであり まして、この自然環境を回復しない限り根本的な問題 解決には至らないということであります。 そこでまず、里山の再生についてであります。これ は中山間地農業の振興と表裏一体でもあると思います が、里山の保全、整備にどのように取り組んでいかれ るのかお尋ねいたします。 私はかつてこの議会で、四国の野生動物を保護する ために、200年がかりで、本県の石鎚山系から徳島 県の剣山系を結ぶ、幅1キロの広葉樹林泰をつくる壮 大な構想「森の回廊」について取り上げた事がありま す。 抜本的な鳥獣害対策を考える時、このような長期的 な視点を持って、野生動物と共存できる、多様で健全 な森の再生に、後生のためにも、今この時期に私たち が取りかかる必要があると考えますが、ご所見をお聞 かせ下さい。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2012.07.21 15:55:01
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