これもキリスト教的寛容なのか
また移民問題や異文化適応についてぽちぽちと調べています。少し前のIHTに面白い記事がありました。記事内容にある事情は、前々から知っていたのですが。For French Muslims, a Catholic educationフランスはイスラム系移民が500万いて、これは仏人口の約10%、欧州全体でも高い比率です。若い移民や2世などは、世俗主義政策(laïcité)の徹底した共和国の公教育を避けて、宗教に比較的寛容な私立を選択、進学しています。中でも人気なのはなんとカトリックの私学校。本来は異教徒の学校なのですが、授業料が比較的割安、また各種の宗教的な事柄(スカーフ着用など)にも寛容だということで、注目されています。学校当局も彼らを進んで受け入れているみたいです。フランスの公教育は、「脱宗教」が徹底しています。数年前、構内での宗教的シンボルとみなされるスカーフ着用を禁止して議論になったこともあります。記事中、「フランスの公教育は、いまやキリスト教以上にイスラム教に不寛容だ」とコメントがあって、なんか皮肉ですね。フィンランドでも、キリスト教団体の擁護施設がイスラム教移民の子女を受け入れているという話をききます。そこでは布教とか改宗とかを目的としているわけでなく、逆にコーラン読解とかを教育プログラムに入れているらしいです。まあもともと両者は一神教、同じ神をあがめているわけで、こういうことも可能なのでしょう。異文化適応の観点から、今後もこういう教育プログラムは盛んになるのではないでしょうか。