カテゴリ:占星術に関すること。
先週、東京星図が土星回帰を迎えていることについて、書きました。それは《こちら》です。こちらには、「東京星図とは何か」や「土星回帰とは何か」についての、大まかなご説明が書いてあります。
現在起きている三回の土星回帰図を読むことは、未来の次の土星回帰が起きるまでの、およそ28年間の東京を予想することになるわけですが、今回はその前に、前回起きたの土星回帰図と今までの約30年間の東京との、過去の検証のほうを先にしてみたいと思います。 ☆ 前回、東京星図の土星回帰が起きたのは、1987年。この年も、1月と7月と9月の三回回帰がありました。 1987年という年は、蠍座冥王星の時代。東京都知事は、鈴木俊一氏でした。どんな年だったかを振り返ってみると、いわゆるバブル期で「地上げ屋」という言葉が流行語になっていました。地価の異常高騰や財テクブームが起きていて、安田生命が,ゴッホの「ひまわり」を53億円で購入し話題になったりしていました。国鉄が分割・民営化され、JRが発足下のもこの年です。洗剤のアタックが花王から発売されたのもこの年です。 この年からの東京の29年間が、この1987年の土星回帰にはどのようにあらわれているでしょうか。 まず1987年の一回目01月04日の土星回帰図。 ・土星は10ハウスにあり、アスペクトは1ハウス魚座の木星とスクエアのみ。この10ハウスには同じ射手座の天王星もあります。 ・1ハウスの魚座には、都民をあらわす月ややる気の火星も入っていますが、この1ハウスはインターセプトになっています。 ・都知事は太陽で読んでよいのだと思いますが、これは山羊座にあり11ハウス。8ハウス終わりの蠍座の冥王星とセクスタイル。この近くには、水星海王星の合があります。この2天体は、1ハウスのうお座の月とセクスタイル。 ●これらのことから見えてくるのは、根拠は無いけれど何となく良くなって行きそうな気分を持っている都民たちに対して、都政の側が夢のような現実ビジョンを提供して、レールを打ち立てて行こうとする姿ですね。この都政は保守的です。 そして二回目07月11日の土星回帰。 ・まず土星は5ハウスにあり、ノーアスです。7度オーブで天王星も近くにあり、これは9ハウスの牡羊座の木星とトライン。 ・都知事を表す太陽は、蟹座にあって12ハウス。この太陽のアスペクトは、都民を表す山羊座6ハウスの月とオポジションのみ。この太陽の近くには、オーブ10度で、蟹座の水星と金星のコンジャンクションがあり、これは、5ハウスの山羊座の海王星とオポジジョン。ICにある蠍座の冥王星とは、トライン。 ・他には、12ハウスに獅子座の火星があり、これは9ハウス牡羊座の木星とはスクエアー。この木星の度数のサビアンシンボルが「落胆させられた大聴衆」。この火星は4ハウス蠍座の冥王星ともスクエアーを取っています。 ●これらのことから見えてくるのは、メディア受けがよくて親しみやすい都知事と、それと向かい合っている都民。この回帰図の都民は真面目にこつこつと働いているリアリストの人達。この月の山羊座15度は「病院の子供病棟にあるたくさんのおもちゃ」のサビアンシンボルの度数でもあるし、この土星回帰には、全体的に深い共感力と強い癒しイメージが漂っています。新しい改革の良いイメージの提供もあると思うのだけど、それはすぐに失望を伴うものでもあったらしい。 そして三回目09月27日の土星回帰。 ・土星は2ハウスにあって、12ハウス天秤座の金星とセクスタイル。 ・都知事を表す太陽は11ハウス(5度前ルールでは12ハウス)で、3ハウス山羊座の海王星とスクエアーのアスペクト。そして太陽はドラゴンテールとコンジャンクション。 ・都民を表す月は、蠍座1ハウスにあって、11ハウス乙女座の火星とセクスタイルのアスペクトのみ。 ●ここから見えてくるのは、メディアを通して、親しみを持ってみんなに新しい時代の到来を語りかけてくる都知事の姿。でもそこに心からの新しさを感じる人は居なくて、もっと現実優先になっている都民の姿。「コツコツとまじめに働く未来をガッツで切り開いて行くよ」。東京を支える大黒柱として土星のあり方は、「自力で稼ぎます。いろいろなアイデアを考えだすことと手を取って強力し合って行きます。」 東京のこれまでの30年、そして、鈴木俊一氏→青島幸雄氏→石原慎太郎氏→猪瀬直樹氏→舛添要一氏という、都知事の流れも、みごとにこの1987年の三回の土星回帰図には表れているように思えたのですが、いかがでしょうか。 ちなみに、この1987年のもう一つ前の土星回帰は、1957年11月30日。こちらも読んでみます。 ・土星は9ハウスにあり、ここには8度オーブで射手座8度の太陽があります。そしてまた、射手座27度には水星も。土星は12ハウス魚座の月とスクエアー。5ハウス獅子座12度の天王星とトライン。 ・この都民をあらわす月は、8ハウス蠍座の火星とトライン。この火星の近くにはドラゴンヘッドもあります。 ・都知事を表す太陽は、5ハウス獅子座の天王星とはトライン、6ハウス乙女座の冥王星とはスクエアー。 ●ここから見えてくるのは、海外に追いつけ追い越せとする、都知事と東京の姿。このおよそ30年の間、都知事になった4人のうち2名が学者から政治家に転向した人で、その期間も20年間というのも、この星配置そのままですね。東龍太郎は医学者、美濃部亮吉は経済学者でした。美濃部都知事の革新性は目が覚めるようなものがありました。しかし、時に理想に走り過ぎて、現実がついて行けないところもあったようです。この時期の都民は、強力な人脈のピラミッドを構成している、表に出ることのない組織に対しては、恭順な姿勢で、そのことによって恩恵も得ているところがあったことでしょう。そう、山崎豊子さんがいくつかの作品にしたような時代のことですね。 次回は、いよいよこれから30年の東京を読んでみたいと思います。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2017.09.07 16:58:52
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